ソフトバンクは4日、メッツをFAとなっていた松坂大輔投手(34)の入団を発表した。3年契約で年俸総額12億円+出来高払いの大型契約。背番号は代名詞の18番だ。そんな中、王貞治球団会長(74)が、日米通算164勝を誇るスーパー右腕をあえて“ノーハードル”で迎えることを明言した。

「我々は彼の投球を見てきて、松中との対決だったりと、いろいろ思い出もある。日本でもう一花咲かせてもらえたらね」とエールも控えめ。さらにこの日、福岡市内で行われた九州財界人による王会長の支援組織「王讃会」のパーティーでも、松坂について「我々の頭の中にある活躍をしてもらえるか分かりませんが、キャンプ、オープン戦で彼の現在の力を把握したうえで」と話すにとどめた。

 この“王発言”についてチーム関係者はこう推察する。「ハードルを上げるような発言をして、プレッシャーをかけたくないというのが本音だろう。久々の日本復帰で、いい意味でも悪い意味でも注目が集まる。とにかく焦らずに自分のペースでやってくれればということだろう」

 確かに、現在の松坂は昔の松坂とは違う。ここ数年は成績も低迷。来季は年齢も35歳だ。メジャーの硬いマウンドに対応するべく投球フォームも変化しており、日本仕様へのモデルチェンジの必要性もささやかれている。期待に応えようとしてペースを乱してしまうことも考えられる。王会長は、それを気にしているようだ。王会長にとって松坂は自身が指揮を執った第1回ワールド・ベースボール・クラシックのエース。ともに戦い、世界一をつかみ取った“愛弟子”でもある。「開幕まではだいぶ時間があるんだからね」。まずは復活を静かに見守るつもりだ。(金額は推定)