巨人・村田修一内野手(33)が「村田組」を“解体”する。例年、大所帯で行ってきた1月の自主トレの参加人数を縮小するという。契約交渉では現状維持の3億円でサイン。「数字的には納得できる数字じゃなかったが、ケガなく野球ができたことにはホッとしている」と穏やかに語った村田が、その真意を明かした。

 他球団からの移籍選手では初となる選手会長就任、そして今季「開幕4番」の大役を任され始まったシーズンも、打率2割5分6厘、21本塁打、68打点。好調を維持することができず、低空飛行のままシーズンを終えた村田は「去年、打撃としてはいい形で終われたのを、そのまま継続した形でスタートしたが、やっぱり相手は上回ってくる。そこをもう一つ上をいくような対策を練ってなかったのが反省点。毎年進化することが大事と感じました」と語った。

 バットの重量を軽くして臨むという来季は、例年通り沖縄での自主トレからスタートするが、村田は本紙にこう打ち明けた。

「沖縄へ行くのは変わりませんが、人数減らしてやろうと思っています。(メンバーは)実松と坂口です。(参加を希望していた)今村は『今年は投手の方に行け』と言ったので連れて行きません。本当は実松だけでもいいと思っていたぐらい」

 村田といえば、球界屈指の兄貴肌。横浜時代から来るもの拒まずで、2013年1月の自主トレではDeNA・筒香ら4選手と、今年は実松、井野、芳川の捕手3人と、投手は今村というメンバーだった。スタッフを含めると大所帯になることから「村田組」とも呼ばれたが、今回はまさかの縮小方針。球団納会での原辰徳監督(56)の言葉を借りれば「解体」ともいえるものだった。

 一体なぜか。その真相を村田はこう語った。「僕も年だし、そろそろ自分の野球に専念したいなと。危機感から? そうですね」

 来季は中井が三塁手に専念することを表明。さらには大型内野手の期待がかかるドラフト1位・岡本も、三塁手として原監督みずから英才教育を施す方針を打ち出している。そして今後、キューバとの交渉次第では、今季DeNAに在籍したユリエスキ・グリエル内野手(30)が内野手争いに加わる可能性も。実績でいえば村田だが、状況次第では油断できない立場に置かれるとあって「自分の野球に専念したい」はそんな危機感の表れだ。

 激化しそうな三塁手争いについては「フフフ…。まあ、自分の野球をやるだけですよ」と不敵な笑みを浮かべた。2015年のスタートは“村田組解体”で自らを追い込むつもりか。(金額は推定)