オリックス強気「金子 来季以降もポスティングNO」

2014年11月29日 08時30分

一人たたずむ金子

 オリックスから国内FA宣言し、去就が注目される金子千尋投手(31)に対し、オリックス・西名弘明球団社長(70)がポスティングシステムによるメジャー挑戦は「来季以降も認めない」と明言した。近く右ヒジの遊離軟骨除去手術に踏み切る金子だが、依然くすぶっているのがメジャー移籍問題。これに西名社長は“完全NO”の姿勢を示したのだ。1年後ポスティングOKの方針を掲げる国内他球団が出てきそうな中での強気姿勢。FA残留交渉にも影響しそうだが…。 

 27日、東京で「ジョージア魂賞授賞式」に出席した金子は壇上で「来年? 答えづらい。僕もわからない。ユニホームは着ていたいです」と苦笑いしながら話した。その後は帰阪して兵庫・三田市での球団納会に出席。森脇監督が「来年は敗者が勝者に変わる年。今年つかめなかったものを全員で奪い取ろう!」とあいさつすると、ナインとともに乾杯のグラスを傾けた。

 オリックスの残留交渉は金子が近く右ヒジ手術を行うことで一時中断。球団は3年15億円の契約を条件にしているとみられるが、今後の交渉で注目されるのは来オフのポスティングによるメジャー挑戦が“付帯条項”となるかどうか、だ。

 金子は今オフのポスティング直訴を、オリックスの「NO」の姿勢と、自身の右ヒジの状態のことも重なって、ひとまず断念した。しかし、来オフ以降となると話は別。金子側が来オフのポスティング容認を残留の条件にすることは十分考えられる。

 そんな中、西名社長はこの問題について「(金子が)可能性を模索したい気持ちはわからないではないが(球団の考えは)終始一貫一緒。いっさいぶれていない。状況が変わる要素はないでしょ。(かつてポスティングを認めた)イチローの時とは経緯が違う」と認めないと断言した。どんなに状況が変わっても、たとえ世間の後押しがあったとしても、来オフ以降も金子をメジャーに“売却”するつもりはないというのだ。

 金子はシーズン中からメジャー球で練習するなど米球界に興味を持っているのは確か。大物代理人のアーン・テレム氏、さらに日本でも実績ある代理人と契約している。しかも国内他球団のいくつかは1年後、ポスティング容認の構えもちらつかせている。にもかかわらず、オリックスが、ここまで強硬な態度を変えないのはなぜか。

 球団幹部によると、必要戦力ということだけでなく「金子はそこまでのメジャー志向ではない。メジャーへの気持ちをもともとそんなに強く持っていない」との情報を把握しているからだという。「金子がメジャーに行きたいなんて驚いた。あいつからメジャーのメの字も聞いたことはない。結局、代理人にいろいろと吹聴されてその気にさせられているだけ。代理人契約したら、本人の意思よりも代理人主導になる。いつの間にか金子が振り回される格好になっている。代理人は金儲けだからね」とは球団関係者。フロント陣は強気に「来オフ以降もポスティングNO」と打ち出しても大丈夫、とにらんでいるわけだ。

 球団納会終了後、森脇監督と“密談”した金子は報道陣に「何を聞かれても今の時期はしゃべりません」とだけ答え、帰路に就いた。オリックスに残留しても、この状況ならメジャー挑戦は手詰まり。海外FA権を取得できるのは早くて4年後という中で、金子はどういう決断を下すのか。オリックスの強気の攻めはどんな結果をもたらすのか…。右ヒジ手術後に本格化する金子のFA交渉からますます目が離せなくなってきた。