セMVP菅野が語る“超投球論”

2014年11月28日 07時30分

セMVPを獲得した菅野

<NPBアワーズ(26日)>セ・リーグMVPに輝いた巨人・菅野は26日、東京都内の球団事務所で契約更改を行い、4000万円増の1億1000万円でサインした。プロ2年目での大台突破は松坂(当時西武)、高橋由らに次いで史上最速タイだ。しかし当の本人は心から快挙を喜んでいる様子でもない。その理由は菅野が本紙に語った“超投球論”ともいうべき理想に隠されていた。

 

 プロ2年目での大台突破に「いい評価をしていただいたなというところと、あとは球団の方の自分に対する期待であったりとか、そういうものを感じました」と語った菅野だが、続けて出てきたのは「数字だけ見ると防御率であったりとか見栄えのいい数字が並んでいると思いますけど、そこには一切満足することはなくて、唯一誇る数字とすればクオリティースタート(QS)。それ以外は満足していません」と反省の弁ばかりだった。

 

 QSとは先発投手が6イニング以上を投げ、自責点を3点以内に抑える際に記録される。今季の菅野は23度の先発で18回を数え、QS率78・26%はリーグトップ。エースの働きで12勝(5敗)を挙げ、防御率2・33で最優秀防御率のタイトルも手にしたが、終盤に右肘靱帯を痛めるアクシデントに見舞われた。しかし「悪いシーズンだったとは思わないですけど、満足できるようなシーズンではなかった」と話すのは、ケガだけが原因でもなさそうだ。

 

 チーム関係者は「智之は数字では語れない“理想のゲーム運び”っていうのを持っている」と話す。それを目指す上で、満足していられないということなのだろうが、いったいMVP右腕はどんなゲーム運びを理想と考えているのか。

 

「相手打線が『今日(の菅野)はスライダーが抜けているな』とスライダーを捨てて直球中心で…という作戦が出るとしますよね。それで試合が中盤、後半と進んでいくんですが、(投手は)悪いながらも投げないといけない。でも、だんだん決まりだすと最初は直球に的を絞っていた打線がスライダーにも手を出していかないといけなくなる。最初から直球はいいわけですから両方良くなって、最後には手が付けられなくなって最後までいくという…。これが相手投手を攻略する上で一番難しいと思うんですよね」

 

 菅野はそんなゲーム運びを理想としており、自らを発展途上ととらえているようだ。

 

 チームとしても日本一奪回を目指す来季は1年通して先発ローテを守るのはもちろんのこと、菅野は「最低15勝」と具体的な数字も口にした。誰もが認める巨人のエースとなっても、菅野の“理想への道”はまだまだ続く。