巨人にドラフト1位指名された岡本和真内野手(18=智弁学園)が23日、東京ドームで行われた「ジャイアンツ・ファンフェスタ2014」で背番号「38」のユニホーム姿を初披露した。原辰徳監督(56)と初めて対面し、グータッチも交わした将来のGの大砲候補は感激の面持ちだったが、母校の恩師からは高校3年間でも克服できなかった弱点の矯正を課題として突きつけられている。

 真新しいユニホーム姿で本拠地の大観衆の前に現れた岡本は、原監督とグータッチを交わし、背中をポンポンと叩かれて出迎えられた。そして、マイクを手に「少しでも早くチームの力になれるように頑張り、球界を代表するバッターになります」と所信表明すると、指揮官からも「必ずや近い未来、ファンの皆さまの大声援を受けられるような選手に育てたい」と期待をかけられた。

 ひとまずプロ野球選手としての第一歩を踏み出した岡本には、恩師である智弁学園野球部の井元部長も「岡本が巨人の一員になれて、ホッとしています」と素直に喜びをあらわにした。ただ、プロでの大活躍を願うがゆえに改善すべき弱点には手厳しく切り込む。それは183センチ、95キロという恵まれた体格とは対照的な「小声」だ。

「グラウンドに出たら闘争心が入って大きな声を出しますが、人の多いところに行ったことがない純な子。人前で声を出せる子じゃない。それは練習させなアカンとホンマに思います。これから卒業までに社会人としてのイロハも教えときます」(井元部長)

 実際、岡本は4日に川崎市内にある巨人の寮や室内練習場を訪れた際にも小声ぶりを露呈していた。大勢の報道陣に囲まれて施設見学した感想などを求めれても普通の声が出せず、球団関係者から「もうちょっと大きい声で」と促されたほどだった。

 岡本の小声は今に始まったものではなく、高校入学当初から指摘されていたそうだ。井元部長に「体はデカイのに声が小さい!」と注意され、大声であいさつができるまで何度も繰り返したという。世間からも注目される「巨人のドラ1」が小声では確かに格好がつかない。もちろん、一日も早くチームに溶け込むためにも、解消すべき点だろう。

 新人選手紹介を無事に終えた岡本は、報道陣の前で「いずれは東京ドームでホームランを打って、グータッチさせていただけたら一番うれしい」と静かに決意を語った。なんとかキャンプインまでには弱点を克服しておきたいところだ。