中日の守護神・岩瀬仁紀(40)が来季の巻き返しに燃えている。

 今季は8月に左ヒジを痛め、その後は1度も一軍登板することなくシーズンを終了。34試合、1勝2敗、20セーブ、防御率3・52の成績に終わり、15年連続の50試合登板、9年連続のシーズン30セーブ以上の記録も途切れた。一方で2年目の150キロ右腕・福谷が代役ストッパーとして大車輪の活躍。そんな状況に「(来年)やれなきゃ終わりと思ってやるしかない。来年こそは1年間抑えで結果を出したい」と例年以上に気合を入れている。

 奮い立たせる材料はそれだけではない。岩瀬は7月26日の巨人戦(ナゴヤドーム)で日本球界では前人未到の400セーブを達成。最後は相手主砲の阿部を空振り三振に仕留めたが、その際、踏み出した右足が滑ってしまい、ずっこけるような何とも不格好なフィニッシュ。このシーンも関係している。

 400セーブは直近の大記録。テレビで岩瀬を取り上げる時にはその映像が繰り返し、流されている。これが本人は「ショックです。このシーンしか出ないので恥ずかしい」と嫌でたまらないという。このままでは終われない。そんな映像を少しでも目立たなくさせるためにも、次の節目である450セーブを何としても達成するつもりでいるというわけ。

 これまで節目の数字には「一つひとつの積み重ねで来ているだけ」と無関心だった守護神だが、残り48セーブの通算450セーブだけは特別。記録達成で周囲の不安説と恥ずかし映像を一掃する。