ファンの声をデータ化 サービスに生かすオリックスの狙い

2014年11月30日 16時00分

コールセンターのオペレーターたち

 オリックスがファンの声をデータ化し、球団運営に有効活用していく。オリックス球団事務所では14日から「お客様ダイヤル」をリニューアル。従来の“お問い合わせ窓口”だけでなく、ファンの意見や要望をデータ化して分析。運営やサービス向上に役立てていくことになった。今季のスローガン「さらに、ひとつになろう」の思いを継続させ、よりファンとの一体化を図る狙いだ。

 

 オリックスのコールセンターはこれまで京セラドーム内の球団事務所ではなく、外部業者に委託して別の場所にあった。3~4人のオペレーターが待機し、シーズン中なら1日400~500件、オフなら50件ほどの問い合わせに対応してきた。主にチケットやホームページに公表されるリリースの問い合わせが多いが、中には叱咤、激励、意見、要望などもある。オペレーターはマニュアルに準じた対応をしながら、それらの声については日報に記し、球団に渡すようにしていた。

 

 しかし、今季はチームが5年連続Bクラスから2位に大躍進し、これまで以上に組織運営を充実させていく必要がある。そこでコールセンターを球団事務所内に移設。オペレーターを最大5人とし、外部のデータ会社に委託してファンの意見や要望を集約し、球団の各セクションの運営に役立てる。もちろん采配やグラウンドレベルのリクエストには応えられないが、ファン心理にこそ多くのヒントが隠されている。「問い合わせはファンと接するポイントです。単純に事務的なやりとりではなくサービスに生かせるようにしていきたい。これまでは声をデータ化して分析するまでには至っていなかった。“なぜそんな声が出るのか”を想像ではなく、しっかり分析する。どういうタイミングで出た声なのか、選手の成績と連動している要望なのか、とかね。ファンと球団がつながっている意識を持てるようにしたいし、持っていないとダメやと思います」(事業本部・花木聡プロジェクトマネジャー=PM)。球団事務所内に設置されたことで、より連絡がスムーズになるメリットも大きいという。

 

 オリックスはこれまでファンクラブの会員に対してはポイントカードによる「CRMシステム」で情報を管理してきた。京セラドーム内での飲食や買い物の履歴からニーズや傾向を分析し、顧客満足度を向上させる取り組みだが、それをファンの声にまで当てはめようというわけだ。

 

 これが球団に大きなメリットをもたらすことにもなる。新商品の提案や選手Tシャツのデザイン、イベントのアイデアなども大歓迎。年間3万~4万件にも及ぶファンの声の中に、大ヒット商品につながるアイデアが隠されていないはずがない。

 

 花木PMは「優良な企業は消費者と密着しているもの。ものすごく大事なことです。声を生かさない方が不自然でしょう。球団が本来、あるべき姿。よりシステマチックに合理的にすることで、球団のスキルも向上できればいいですね」と新システムに期待を寄せた。「さらに、ひとつになろう」で大躍進したオリックスが、別の形でもそのポリシーを継続させていく。