楽天の大久保博元新監督(47)が女手ひとつで育ててくれた母・友美子さん(78)のためにも張り切っている。

 大久保監督は「母ちゃんから電話があるたびに『今から(監督を)断れないのかい?』って言うんだ。毎回『もう今からじゃムリだよ』って答えているんだけど」と苦笑した。

 大久保監督の母・友美子さんといえば肝っ玉母さんとして知られている。大久保監督が3歳の時に父親が病死すると、友美子さんは仕事をこなしながら2人の息子を育てた。

「ある日、知り合いが野球盤を買ってきてくれた。弟と遊び始めたらすぐにケンカが始まった。そしたら母ちゃんは買ってきてくれた知り合いがまだいるのに、野球盤を叩きつけて壊しちゃった。1回裏までしか遊べなかった」と大久保監督は母親の思い出を振り返った。

 その友美子さんは大久保監督の就任反対運動が巻き起こったことに心を痛めた。人さまに批判をされるぐらいなら監督などやらない方がいいと、大久保監督が持たせてくれた携帯電話を手に取ったという。

 もちろん大久保監督としては星野仙一前監督から「やってみろ」と託された監督業を全うするつもりだ。

 母親を安心させるためには、結果で示すのが一番だけに、指揮官は気合が入っている。