日本復帰濃厚の松坂にレ軍・ファレル監督が魂のエール

2014年11月22日 16時00分

レッドソックス時代の松坂(右)とファレル投手コーチ(2007年3月)
元局アナ 青池奈津子「メジャー オフ通信・特別編」

 

 メッツからFAになった松坂大輔投手(34)が来季の日本球界復帰を視野に入れ、水面下で動きだしている。その動向に注目が集まる中、一人のメジャーリーグ監督もベテラン右腕へ熱いまなざしを向けていた。「2014 SUZUKI日米野球」でMLBオールスターチームの指揮を執ったジョン・ファレル監督(52=レッドソックス)だ。青池奈津子氏の独占直撃に応じた指揮官は、レ軍投手コーチとして2007年から4シーズン接した“ダイスケ”へ魂のエールを送った。

 

 ――松坂の9年ぶりの日本球界復帰が現実味を帯びている。一部では「ソフトバンクと契約するのでは」ともささやかれているが…

 

 ファレル それは素晴らしいね。

 

 ――あなたは松坂がメジャーでルーキーイヤーだった07年から10年まで、レ軍の投手コーチとして誰よりも間近な位置で彼と接していた。その翌11年に松坂は右ヒジのトミー・ジョン手術を受けたが、ここ最近までの姿を見てどう感じているか

 

 ファレル レッドソックスで4年間一緒に過ごして、ダイスケがいかにプライドを持っているかを知ることができた。だから肉体的な“チャレンジ”を乗り越えてきた末に彼が(メジャーに)戻ってきてメッツでプレーしているのを見られたのはうれしかったよ。そしてこれから、また(日本で)グラウンドに立って投げたり、戦えたりできる…。そういう機会があるのは素晴らしいと思う。そこには、ネガティブなことは一つもないよね。

 

 ――とはいえ、やはりその右ヒジの“チャレンジ”は決して容易なことではないはずだ

 

 ファレル 投手が腕の大ケガを経験すること、それ自体が本当に大変な“チャレンジ”だと思う。私自身も経験したけれど、いったい何が待ち受けているのか、自分のピッチングの速さや動きがどうなるのかも分からないし、何をするのがベストで、また試合に出て勝てるようになるのか…。それはまるで自分自身のことを再び学び直すような感じなんだ。

 

 ――松坂との思い出を語ってほしい

 

 ファレル 私にとっては毎日、日本の野球文化や日本人選手の常識と接する初めての機会だった。いろいろなことを一緒に頑張ったよ。私はいつも、投球プログラムへのダイスケの取り組み方が興味深かった。彼が練習でどのくらいの球数を投げるのか、あるいはブルペンでのセッション(入り)の回数も気になっていたよ。彼の投球プログラムは“有名”だったからね。ダイスケから多くのことを学んだと今でも思っている。ブルペン入りの回数、投球数ともに米国と日本の標準は大きく違ったからね。そこに必死で順応しようとする彼の意欲と仕事ぶりには、大きなリスペクトを覚えたよ。

 

 ――いわゆる日本流の“投げ込み”を好むタイプの松坂をどう思うか。そして彼の強みについても教えてほしい

 

 ファレル そうだな…。投球量に関して言えば、ダイスケは本当にとても「熱心」だった。そして彼の強みはやはり、どんなカウントになっても豊富な球種で勝負できる能力があるということだよね。だから彼の投球パターンは、いい意味でいつも予想がつかなかった。肉体的に100%に近い状態に持っていけた時の彼は、自分の能力に絶対の自信を持っていたから相手打者にいろいろな戦い方ができた。NPBからMLBへの挑戦は決して甘くはないけれど、彼は非常にうまく対応したと思うよ。

 

 ――松坂は先発にこだわっているようだけれど、リリーフならばまだメジャーリーグでも機会がたくさんあるような気がするが…

 

 ファレル それは私には分からない。ただ先発にこだわる姿勢がダイスケの中に深く染み込んでいることを知る限り、彼がその役割に最も“心地良さ”を感じられる部分は理解できるよ。

 

 ――最後に松坂をひと言で評すると…

 

 ファレル「driven(“意欲のある”の意)」かな。