西村先発再転向は原監督の“フロントへのメッセージ”

2014年11月18日 16時00分

原監督(左)は西村に先発転向を通告した

 巨人・原辰徳監督(56)が、またもチーム改革に着手した。17日の秋季練習中、昨年のセーブ王・西村健太朗投手(29)に先発への再転向を命じたのだ。指揮官は先発投手陣に厚みを持たせるためと説明したが、その裏には原監督とフロントとの間に吹く“すきま風”が影響しているようで――。

 

 突然の通告だった。この日、ブルペンで西村にチェンジアップを試すように促したという原監督。さらに「健太朗は来季は先発のつもりで考えていると。先発を争う一人として来季、我々は考えると伝えました」。右腕に伝えたのは、2011年以来となる先発再転向だった。

 

 これまで先発だった澤村が中継ぎへと回ったこともあるが、指揮官が強調したのは“先発陣の層の薄さ”。「(今年、阪神との)クライマックスにおいても安定感を欠いていたことは否めない。来季を戦う上で先発ローテ、先発投手は非常に重要ですよ。やっぱり厚みを増さないとダメ。(菅野)智之にしても大竹にしても、最後は(負傷で)戦えなかった」

 

 内海、杉内、菅野、大竹、小山と原監督が理想とする先発5人ローテのコマは揃ってはいるが、それに次ぐ投手がなかなか現れず、今季は苦しい戦いを強いられたのは確かだ。ただ、西村が先発陣の競争を促すカンフル剤となるか…という話には疑問符が付く。そもそも西村が中継ぎに回ったのは、先発として定着できなかったことが原因。“いまさら”な感は否めない。

 

「そこに原監督の歯がゆさがあるんだよ」とは球団関係者。今回の配置転換の背景をこう語った。「補強費に上限を設けず、実力のある選手をどんどん補強したい監督に対し、フロントは補強費の使い方には慎重な姿勢を崩さない。今、長身の外国人投手2人(マイルス・ミコラス投手、アーロン・ポレダ投手=ともにレンジャーズ)をリストアップしているけど、右のミコラスはともかく、左のポレダに関してはさっぱりだったようで、ビデオを見た監督の反応は微妙だった。その本音は『もっとカネを使って大物を獲ってほしい』なんです」

 

 別の関係者も「球団は決して補強に消極的なわけではないんだけどね…。健太朗の先発転向も『現場は懸命にやりくりしている。だからフロントも考えてほしい』という原監督の“無言のメッセージ”だと思います」。現場とフロントに生じた“すきま風”が西村のみならず、これまで原監督が断行したチーム改革の背景にあるようだ。

 

 この日の練習中、原監督はふと「チームを作る上で、監督はGMと同じくらい(の発言力)にいると作りやすい。そこそこの監督さんというのは、GMと対等に話ができてチームを作る。そういうふうになっていくと、強くなりやすいケースがあるし、まとまったチームが作れる」と口にした。指揮官とフロントに発生した温度差は、果たして解消されるのか。