来季に向けたチーム再編を進める巨人で「代打の切り札」の座を巡る争いが過熱しそうだ。

 中日を戦力外となり、入団テストを受けた堂上剛裕外野手(29)も候補のひとり。前日に引き続き参加したジャイアンツ球場での二軍練習では、フリー打撃でカーブマシン相手に26スイング中5本の柵越えを披露。「自分の力は出せたと思います。自分の中ではまだ野球を続けられる、まだやれると思っています。ラストチャンスをもらって(巨人に)感謝しています」と合格を決定的にした。

 今オフの巨人は「かつての石井義のような、代打の切り札に穴がある」(原沢球団代表兼GM)という声もあるように、“切り札”の存在を意識した補強を進めている。今秋のCSでは、セペダが代打の切り札として起用されたものの、肝心な場面で機能せず。高橋由が万全でなかったこともあり、ここぞという勝負どころで選択肢が限られた。代打攻勢が成功していれば優勝の行方もわからなかっただけに、代打の層を厚くすることは今オフの課題の一つでもあった。

 FAでの獲得が決定的となっているDeNA・金城を含め、来季からコーチ兼任となる高橋由、セペダ、矢野、横川ら候補者は多い。さらに堂上剛が候補者として浮上したことで、来春のキャンプでは例年以上の競争が展開されることになりそうだ。