金子にレッドソックスが熱視線

2014年11月15日 16時00分

5回3安打3失点で勝利投手になった金子

「2014 SUZUKI日米野球」第2戦が14日、東京ドームで行われ、侍ジャパンが8―4でMLB選抜に快勝。メジャー挑戦も視野に入れていることで注目の、オリックス・金子千尋(31)が先発し、5回3失点だった。その舞台裏で渦中の右腕に熱視線を送っていたのが昨年の世界一軍団・レッドソックス。ネット裏からギャレン・カー特命スカウトが目を光らせた一方、グラウンドレベルからもジョン・ファレル監督、ファン・ニエべス投手コーチが生チェック。金子獲得へレ軍の“本気度”の高さをうかがわせた。

 

 MLBオールスター軍団を相手に金子は5回3安打3失点。2回には今季ナ・リーグ首位打者に輝いたモーノー(ロッキーズ)に148キロ速球をバックスクリーン右へ運ばれた。が、キレのいいチェンジアップ、フォークで毎回の5三振を奪うなど「沢村賞投手」としてのプライドも見せた。金子は「本塁打はフルカウントから甘く入ってしまったシュート。打者を抑えるというよりストライクを取りに行ってしまった。MLB打線は甘く入ったらしっかりとらえられる印象を持ちました」と登板を振り返った。

 

 その金子の今オフの動向は日米両球界移籍をにらんだ複雑な状況。そんなこともあり、この日は多くのメジャー球団のスカウトがネット裏に詰め掛ける、物々しい“見本市”となり、とりわけチェックが入念だったのがレッドソックスだった。

 

 現在、上原と田沢、2人の日本人リリーバーが在籍するア・リーグ東地区の名門は、今季の開幕ローテーション5枚の先発投手陣のうちバックホルツを除く4人のFA投手をシーズン中にトレード放出。新たなローテーションの「3番手、または4番手を日本人投手で」とシーズン中から広島・前田と金子をマークしてきた。

 

 その最終チェックに米本国からカー特命スカウトが来日し、ネット裏から熱視線を送ったばかりかMLBベンチでは30球団で唯一ファレル監督、ニエベス投手コーチの現場責任者2人が揃って金子を生チェック。メジャー移籍市場に出れば間違いなく獲得のターゲットとなる右腕をくまなく品定めした。

 

 ファレル監督は「対戦前にいろいろと研究をしていたけど、多くの球種を織り交ぜてまさにこっちが知っている投球をされた」と悪い状態の中でも大崩れせず、試合を作れる金子の能力の高さに脱帽した。一方で本紙の取材に「今回のシリーズではいろいろな選手を見ている。特に誰を? それは言えないが、スカウトとも話をしている。チームにとってベストな人間を探している」。今オフは監督業だけでなくスカウト活動にまで乗り出している、米球界では“異例の状況”であることを示唆した。

 

 また、中4日のメジャーローテーションへの対応が懸念されている金子について、ニエベス投手コーチは一般論と前置きしながらその不安をこう打ち消した。

 

「日本人投手の能力の高さは理解しているが、中4日登板に対応できるか難しいところもある。しかし、我々の球団にはそれに対応するプログラムがある。肉体面で多少の改造は必要になるだろうからね。でもそれは今は心配いらない」

 

 すべては金子の逆転ポスティング移籍に備えての準備。いい時よりも悪い時にどう立ち回るかを実際に見られたことが、レッドソックスにとっては最大の収穫だったようだ。