西武の補強が現実路線に“遠くの中島より近くの小谷野”

2014年11月12日 16時00分

 西武が今オフの三塁手補強戦略を、OBで前アスレチックス2Aの中島裕之内野手(32)から、11日に日本ハムからFA宣言した小谷野栄一内野手(34)の現実路線へシフトした。

 

 この日、小谷野は都内ホテルで「選手としての終わりを考えた時に新たな場所でチャレンジしたいという気持ちがあった。一選手としてフラットな状態で勝負させてもらえる所に行きたい」とFA権の行使を表明。

 

 行き先は今オフの補強策を「強打の三塁手」一本に絞っている西武が最有力だが、西武は現在も小谷野とポジションの重なるOB・中島の出戻り獲得に「3年8億円プラス将来の指導者手形」の好条件を提示しているものの、状況は芳しくない。

 

「中島を獲れたら外国人はいらない」とする鈴木球団本部長は6日にその思いを米国にいる中島本人に電話でぶつけたが、返答は保留。中島の意思がいまだ米国残留にあり、代理人に敏腕スコット・ボラス氏をつけたことで仮に国内復帰するとしても条件闘争にならざるを得ない。また、ギリギリまで米国でプレーする可能性を模索した場合、最悪で来年2月のキャンプ中まで交渉がずれ込むリスクも出てきた。

 

 球団はそれでも「待ちの姿勢」を強調しているが、これは中島獲得に後藤オーナーから資金面で全面バックアップの約束を取り付けているから。状況は困難と分かっていながら、親会社に資金援助を仰いだ手前、球団から「交渉断念」を言いだすわけにはいかない。

 

 そこで渡りに船の小谷野がFA。10年に打点王を獲得した勝負強い打撃は健在で、“遠くの中島よりも近くの小谷野”の西武だ。