若虎サウスポー育成へ「大野ホットライン」開設

2014年11月06日 16時00分

榎田(左)の投球を見守る大野氏

 来季のカギはホットライン――。リリーフ左腕の充実を目指す阪神は現在、秋季キャンプ(高知・安芸)で広島の黄金時代を支えた左腕・大野豊氏(59)が臨時コーチとして熱血指導中。生え抜き左腕の台頭に向け、シーズンを通してアドバイスしてもらう「大野ホットライン」を開設する。

 

 大野氏は5日も精力的に動き回った。シートノックではノッカーを務め、4年目の岩本とのキャッチボールでは現役時代さながらの直球をはじめパームボール、スライダーなど多彩な変化球を披露。ブルペンでは榎田、小嶋といった期待の大きい左腕を指導した。さらに、5年目の秋山から質問を受けて話し込む場面もあり、まさにフル回転で若手投手にアドバイスを送った。

 

 現役時代は先発、リリーフとして活躍した大野氏。1991年には最優秀救援投手となり、広島のリーグ優勝に貢献した。今季の阪神はシーズンを通して一軍に定着したリリーフ左腕はゼロという惨状だった。この深刻なリリーフ不足を解消するために実績十分の左腕・大野氏に白羽の矢を立てたのだ。

 

 二軍戦やブルペンでは期待を膨らませる投球を披露するものの、なぜか一軍マウンドでは本来の力を発揮できない若手投手が多いことからポイントの一つはメンタル強化。チーム関係者は「大野さんにはやはり気持ちの面だね。そういうところは若い投手にも参考になるんじゃないか」と話す。大野氏も「勝負では強い気持ちを持つこと。気持ちだけでは抑えられないけど、やはり弱気になって投げた時は球に伝わる」という持論を展開しており、悩める若虎にはピッタリの指導者だ。

 

 それだけに秋季キャンプだけではなく春季キャンプやシーズン中も助言が欲しいところ。ただ、大野氏は野球評論家としても多忙とあって、なかなか直接指導のチャンスはない。そこで携帯電話やメールなどを駆使して随時、アドバイスしてもらうということができるホットラインの開設だ。

 

 大野氏は「メールは家族と連絡を取る時に使っていますよ。広島のコーチ時代は選手とメールをしたことはないけど、もし聞きたいことがあれば電話番号でもメールでも連絡先は教えます。利用してもらっても結構ですよ」と大歓迎。若手投手も「大野さんがいいって言ってるんですか? ハードルは高いですけど、機会があれば聞いてみます」と目を輝かせる。

 

 ライバル球団のOBだが、何としても殻を破りたい若虎投手陣にとっては心強い“助っ人”になりそうだ。