新井貴の阪神退団で“ヤジ防波堤”不在に…

2014年11月05日 16時00分

サヨナラ本塁打を放って大はしゃぎの新井貴。愛されるキャラクターだった

 阪神・新井貴浩内野手(37)が退団することが4日、決まった。球団は今季年俸2億円から野球協約の減額制限(1億円超は40%)を超える1億2000万円ダウンを提示し、来季の戦力構想でも代打要員。これを受けて出場機会を求める新井貴は他球団への移籍を決断した。虎打線の中軸を担った主砲がタテジマを脱ぐ――。ナインや関係者は、その“退団余波”に戦々恐々としている。

 

 この日、南球団社長に自由契約となることを申し出た新井貴はスッキリした表情で「7年間、球団にもファンにも良くしてもらった。本当にありがとうございます、という感謝の気持ちしかない」と何度も繰り返した。

 

 大幅ダウンを提示されての退団となったが、決断の経緯について「今の状況を考えれば球団が出してくれた条件は十分なもの。自分でも納得していた。年俸じゃない。残り少ない野球人生。最後にもう一回、競争ができる環境に身を置きたかった」と説明した。

 

 2007年オフに広島からFA移籍。4番を務めるなど主砲として活躍したものの、今季は新4番・ゴメスの加入で出場機会が激減し、スタメン出場は36試合にとどまった。プロ17年目となる来季に向けて新天地でもうひと花咲かせることを選択した。

 

 一方、誰からも親しまれるキャラクターでムードメーカー的な存在だっただけにチーム内には退団を惜しむ声が続出。さらに、戦力面以外の悪影響も危惧されている。

 

 ある若手選手は声を震わせながら打ち明ける。「新井さんの存在は正直ありがたかったです。ヤジや批判を受け止めてくれるおかげで、ボクたちに対するものが減っていた。あのヤジが自分たち向かってきたら…と思うと恐ろしいです」

 

 打線の中軸として活躍してきたこともあり、勝負どころでの凡退がチームの勝敗に直結することも少なくなかった。このためファンからの厳しい“口撃”を一身に受けてきた。虎党の熱狂ぶりは他球団選手も震え上がるところ。その“防波堤”としての役割を果たしてきた新井貴がいなくなることに不安をつのらせているのだ。

 

 また、移籍先として楽天、ロッテなどDH制があるパ・リーグ球団や古巣の広島が有力視されているが、特に同リーグの広島への“出戻り”に警戒感を強めている。チーム関係者は「うちと広島の戦力差はないに等しい。古巣に帰ればテンションは上がるはず。ムードメーカーとして広島ベンチを盛り上げたら、確実に広島の力はアップしてしまう」と懸念している。

 

 来季に向けて戦力整備が本格化する中での中心選手の退団。ナインも動揺は隠せない。