本社純利益2100億円のオリックスが金子をメジャーに売るのか

2014年11月06日 08時10分

宮内オーナー(右)は森脇監督と笑顔で握手

 オリックス・森脇浩司監督(54)がオーナー報告を行い、宮内義彦オーナー(79)は「ペナント争いにからむという目標は達成できた」とねぎらったが、一方で最大の懸案事項となっているのが国内FA権を取得したエース金子千尋投手(30)の去就問題だ。メジャー挑戦を視野に入れる金子をオリックスはポスティングシステムで“売却”することはあるのか…。

 

 最後の最後で優勝を逃したことで「オーナーにおわびを申し上げました」と謝罪した森脇監督。それでも5年連続Bクラスから2位に躍進したことに宮内オーナーは「一段上の骨格を作ることができた」と笑顔を見せ、続けて「パ・リーグはホークスが実力で圧倒的に抜け、2位以下は実力伯仲。我々は強いチームにチャレンジする挑戦者。その心構えでいかないといけない。目標がある方がいい」と来季の“打倒ソフトバンク”を促した。

 

 しかし、金子の話題になると宮内オーナーの顔色が変わった。「資格は十分に尊重はするけれど、引き続きウチの一員として一生懸命引き留めていくのが球団の仕事だ」と慰留を厳命し、さらにメジャー挑戦を選択肢に入れていることには「そんなことを考える余地は全然ない。認める、認めないも私の口から申し上げる段階では全くない」と不快感をあらわにした。

 

 ワールドシリーズを観戦しに渡米し、すでに代理人まで用意するなどポスティングシステムでのメジャー挑戦を現実的にとらえている金子。瀬戸山球団本部長は「必要な戦力なので今は認められない」としているが、メジャースカウトの金子の評価は高く、入札されれば上限の2000万ドル(約21億円)で複数球団が交渉に名乗りを上げることが確実視されている。

 

 しかし、来年に海外FAを取得してのメジャー移籍となれば、球団に一銭も入らずに手離してしまうことになる。そのため、球団内には「21億円が入るなら球団経営を考えると、今オフに売りに出すだろう。代わりにその金で大物を獲ればいい」との見方が少なくない。球団としても大きな決断を迫られるというわけだ。

 

 そんな状況に本社関係者は実情をこう明かす。「ウチのグループ決算は2100億円の見込みになっている。これは来期の決算を考えるとハードルが上がって“儲け過ぎ”なくらいの利益なんです。たかだか21億円を得るために金子を売りに出すなんてあり得ない。そんなことより残ってもらって来年優勝し、その上でメジャーに気持ちよく送り出す方がよっぽどいいですよ。いい条件を出してあげて全力で慰留するはず」

 

 グループの今年4~9月期の連結決算は、純利益が1421億円と前年同期比77%も増加。さらに15年3月期通期の純利益は前期比12%増の2100億円の見通しとなっており、今や「球界ではソフトバンクに次ぐ数字を残している」(同)。全体をとらえれば金子を売りに出して目先の21億円を手中にすることに躍起になる必要はなく「それよりグループのシンボル的なアイコンであるチームに優勝してもらうことの方が大事。金子に代わる投手はいない。国内の他球団に移籍される方がよほど怖いですよ」というのだ。

 

 金子は日米野球後に結論を出すとしており、となるとFA宣言期間は終了している。残留して1年待つか、球団を説得するか…。いずれにしてもグループの好調な業績が金子の去就を大きく左右するかもしれない。