大下剛史氏「西岡のプレースタイルは好きではないが意欲は買う」

2014年11月05日 07時35分

守備妨害を取られた西岡の走塁

【大下剛史 熱血球論】今年の日本シリーズ第5戦の9回一死満塁で、阪神・西岡剛内野手(30)が一ゴロに倒れた際、ファウルラインの内側を走って守備妨害を取られ、史上初の“守備妨害幕切れ”となった。

 

 正直に言えば、西岡のプレースタイルは好きではない。時折派手なパフォーマンスを見せるなどロッテ時代から“軽い”という印象が拭えないからだ。

 

 何か突拍子もないことをやる男――。そういう一種独特のイメージも漂うキャラクターだから、どうしても日本シリーズ第5戦での「守備妨害」がバッシングを受ける要因につながってしまっているのだろう。

 

 あの場面を振り返ってみれば、西岡がラインの内側を走っていたのは明白で球審の裁定は適正だ。しかし、あの走塁は「併殺打では試合が終わってしまうし、まずい。何とかしなきゃいけない」と思ってライン上のスレスレを走ろうとしたプレー。ルール上ギリギリのところで必死になって生き延びて戦おうとした気持ちはよく分かるし、その意欲も私は買う。

 

 ルール上ギリギリのプレーは私だって現役時代にやっている。たとえば「隠し球」だ。相手の虚を突くプレーで、一歩間違えば投手が「ボーク」を宣告される紙一重の難技。それでも相手チームから抗議を受けた記憶はほとんどなく、何度も成功させた。だからギリギリのところでルールの枠組みに抑えるプレーをすることもプロの技術なのであって、それを西岡がやろうとしたこと自体は評価してあげなければいけない。

 

 ただ、今回の西岡が残念だったのは結果としてギリギリに抑えられなかったということ。本来ならば紙一重のプレーができる能力を持つ選手であることは認めているし、そういう意味では「もったいなかった」と言える。(本紙専属評論家)