反骨の炭谷「最高の条件」で西武残留

2014年11月04日 16時00分

西武残留を決めた炭谷

 FA宣言すれば争奪戦必至だった西武・炭谷銀仁朗捕手(27)が権利を行使せず残留。「自分がメーンでマスクをかぶって一度も優勝できていない。それがしたい気持ちが強かった」という炭谷だが、球団との争点は、将来の正捕手候補である森友哉捕手(19)とフェアな競争をさせてもらえるかどうかの一点だった。

 

 西武は昨秋のドラフトで球界では城島(元阪神)、阿部(巨人)以来の逸材といえる「打てる捕手」の森を一本釣り。球団が「勝負の年」と位置付ける2017年、潮崎政権誕生に向けて森の正捕手育成プロジェクトは着々と進んでいる。今季125試合に出場した炭谷が、9月以降の27試合で12試合でしかスタメンマスクをかぶらなかったのは、森の育成を優先したからだ。

 

 実際、炭谷とのFA交渉で球団側が提示したのは単年契約。市場に出れば複数年契約提示は間違いない状況で、西武の条件は本人の予想を下回る低評価だった。普通ならこれで「お世話になりました!」と交渉が決裂しても不思議ではなかった。

 

 しかし、炭谷は「逆に球団を見返してやろうと思った」と反骨心に火がついた。「自分にとっては西武に残る方がリスクかもしれない。でもFA移籍しようがポジションは争って奪うもの。だからチームがどこであろうと(勝つ)自信はある」(炭谷)と自身のレベルアップのためにあえていばらの道を選んだ。

 

 森とのポジション争いに関しては球団から「チームが勝つためにいい捕手を使う。今は銀仁朗が正捕手なんだから、ウチにとって(残留)は大きい」(鈴木球団本部長)との確約を取り付けた。炭谷が求めていた「最高の条件」は反骨心の刺激だったようだ。