工藤公康氏(51)が1日に福岡市内のホテルでソフトバンク監督就任会見を行った。6年間もの長期政権となった秋山体制の後を引き継いで、日本一連覇を目指していく。


 早速、新指揮官に期待されているのは、近年目立っている“伸び悩みドラフト1位投手陣”の覚醒だ。「理論派だし、投手としての実績もすごい人だからね。みんなポテンシャルはあるわけだし、少しのきっかけで大きく変わってくれる可能性だってあるからね」(チーム関係者)。別の関係者は「監督が代われば同じスタートラインで見てもらえる。それに野手の監督と投手の監督では、投手を見る視点も変わってくる。彼らからしてみても、大チャンスになるわけだからね」と話した。


 それほど近年の鷹のドラ1投手は壁にぶち当たっている。2007年ドラフトからでいえば、昨季までの7年間で分離ドラフトも含めて6人の投手を1位で指名。しかし、2桁勝利を挙げた投手は今のところ一人もいない。今季、球団首脳がチーム編成を分析した際、唯一、マイナス点として挙げたのも「ドラフト1位で獲得した投手が出てきてない」ことだった。特に、期待を大きく裏切ったのが、1年目に即戦力といわれた大場、巽、東浜だ。


 今季は大型補強を敢行しながらも、先発投手陣が安定しなかった。そんな中で潜在能力十分のドラ1投手たちが才能を開花させれば、大きな戦力になるのは間違いない。球界きっての理論派で通算224勝を誇る工藤新監督の腕の見せどころだ。