SMBC日本シリーズ2014は29日、ヤフオクドームで第4戦が行われ、ソフトバンクが阪神に延長10回の末、5―2でサヨナラ勝ちして3連勝、対戦成績を3勝1敗として3年ぶりの日本一に王手をかけた。追い詰められた阪神。ネット裏では「10月の猛虎モード」の終了がささやかれている。

 初回に3連続四球で二死満塁と絶好の先制チャンスをつかんだものの、福留が空振り三振。逆に直後の1回裏には先頭打者・柳田に左翼線二塁打を許すと岩田が明石の犠打を三塁に野選。一死満塁から松田の2点タイムリーで先制を許した。

 3回に同点に追いつき、延長戦に持ち込んだものの、延長10回表一死一、三塁の勝ち越しのチャンスに4番・ゴメスが併殺打。10回裏に四球とベテラン捕手・藤井の野選で一死一、二塁。ここで守護神・呉昇桓を投入したが、二死から中村にサヨナラ弾を浴びた。

 和田監督が「チャンスは作るけど、あと一本が…」と嘆いた拙攻、3試合連続の初回失点、自ら傷口を広げてしまう守備のミス連発とチグハグな試合展開での敗戦。OBからは「何をやっても裏目に出る悪いパターンが出てしまっている。クライマックスシリーズでは和田監督の采配をはじめ何をやってもうまくいっていたのに…。今年は好不調の波が大きい。好調モードが終わってしまったのかもしれない」という不安の声が続出した。

 今季の月別成績は4月・18勝8敗、5月・9勝15敗、6月・6勝11敗1分け、7月・15勝7敗、8月・13勝12敗、9月・12勝13敗。チーム関係者は「今年は4月が絶好調で5、6月は2か月連続負け越し。再び7月に勝ち越して8月と9月は苦しんだ。好調→2か月不調→好調→2か月不調→好調という周期になっているんじゃないか。そうなれば10月は好調の月ということになる。10月はCS、日本シリーズ。ポストシーズンでいい成績を残せるはず」と10月快進撃を確信していた。

 この予想通り、シーズン最終戦となった1日の広島戦に勝つとクライマックスシリーズを5勝1分けと無敗で突破。この勢いで日本シリーズ第1戦も快勝と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。

 しかし、ここに来ての3連敗。しかも、歯車がかみ合わない試合内容とあって「猛虎モード」が終了し「弱虎モード」に突入してしまったのでは、という悲観的な見方が噴出しているのだ。

 もちろん現場サイドはこのまま終わるつもりはない。日本一になる道は第7戦まで3連勝で駆け抜けるしかなくなったが、崖っ縁から這い上がってくるのが今年の和田阪神。指揮官も「何としても甲子園に戻って勝負する」と強い口調で巻き返しを誓った。