1勝1敗のタイで迎える日本シリーズ第3戦に先発するソフトバンクの左腕・大隣憲司(29)は大舞台のマウンドに向けて「(リハビリから)戻ってくるまでと、戻ってきてからの集大成だと思う」と意気込んだ。


 7月27日のオリックス戦で今季初先発し、難病の黄色靱帯骨化症から復活勝利。ここから濃密すぎる2014年シーズンがスタートした。優勝をかけたオリックスとの10月2日の最終戦に先発して快投。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは15日の初戦に先発して122球を投げながら、最終戦に中4日でマウンドに立ってチームを日本シリーズへ導いた。


 今回も決着がもつれた場合は3度目の“最終戦先発”となる第7戦に再び中4日で登板する可能性が高い。現在のソフトバンクで勝ちが計算できる先発は大隣しかいないからだが、チーム内からはこれに「待った」をかける声が出ている。「チームの勝ち負けも大事だけど、彼の野球人生もかかわってくる。故障明けで守ってあげなければいけない、無理はさせたくないという思いもある」(チーム関係者)


 レギュラーシーズンでの大隣は8度の先発で、中10日以上が2回、中8日が3回、中6日が2回だった。今回の日本シリーズも、本来なら第1戦、もしくは中5日での第2戦に先発させたかったが、中7日での第3戦にした経緯もある。


 大隣は「全然(大丈夫)。投げてもここ2試合しかないですから」ときっぱり。前回の中4日についても「(登板後に)ちょっと張りが強かったくらい。みなさんは手術したところがどうこうと思われるかもしれないが、そこは本当に問題ない。あくまでも肩、ヒジのところで、そこはしっかりとケアしているので」というが、どうなるか。