<2014ドラフト>ソフトバンク1位:松本裕樹投手(18=盛岡大付)

 投げては150キロ、打っても高校通算54本塁打で「大谷2世」の呼び声も高いが、1位指名最後の12番目に名前を呼ばれると「まずプロに行けることが決まってよかった。自分としては投手でやっていきたい」ときっぱり。非凡な打者としての可能性を捨て、投手一本で勝負していく決意を明かした。

 今夏の甲子園は右ヒジ痛のため不本意な形で終えた。「ケガがあって自分自身、プロに行けないんじゃないかという不安があったが、両親や支えてくれた周囲に感謝したい。中学卒業から(神奈川の)親元を離れて岩手に来て、人間的な部分でも成長できた3年間だった」。岩手での高校3年間をそう振り返った松本は、新天地でも不安がつきまといそうだ。

 予備知識は皆無に等しく「修学旅行とかも含めて今まで九州に行ったことがない」。興味のある食べ物を聞かれても「分からないです」。名前を知っているソフトバンクの選手も「う~ん、あんまり出てこないです」。監督就任が決定的となっている工藤公康氏(51)のことはかろうじて認識しているようだが「見たことはないですけど、すごい人だなと思います」といった具合。先日、ソフトバンクが日本ハムを下したパCSファイナルステージも「1試合も見ていないです。やっていることも知らなかった」と無邪気に言い切る。

 1か月前から軽いキャッチボールを再開したという松本は、リハビリと並行してチームや福岡についての勉強にも取り組んだ方が良さそうだ。