ヤクルト伝統の「黄金の左手」が真中満新監督(43)に伝授されることになった。

 21日、東京都内で行われたスカウト会議で、ドラフト1位候補を早大・有原、済美・安楽の両投手を軸にすることが確認された。最終的には23日のドラフト会議直前に指名選手を決定する方針だが、いずれにせよ競合は必至。そこで、くじ引きを託す重要な任務に指名されたのが新指揮官だった。

「二軍監督から一軍監督になって今、一番(運気が)来ているんじゃないか。監督は相馬さんと同じ左利きだしね」と球団幹部。

「相馬さん」とはかつて球団社長などを歴任した相馬和夫さん(故人)のことで、ドラフトの抽選時に無類のクジ運の強さを誇り「黄金の左手」と称された。1982年は1位の荒木大輔、83年は1位の高野光と2位の池山隆寛、84年も1位の広沢克実…と、他球団との競合になった人気選手の交渉権を立て続けに引き当てた。

 ヤクルトは昨年までの5年間、ドラ1の抽選でいずれも運に見放されている。真中新監督も「気持ちで引く。監督になったことが一番の運かな。運は使わないとね」と気合十分。ドラフト当日は明治神宮に参拝してから会場へ向かう予定だ。