
29年ぶり日本一を狙う阪神が25日に甲子園球場で開幕する日本シリーズに向けた練習を本格スタートした。宿敵・巨人を撃破したクライマックスシリーズ(CS)と同じようにチャレンジ精神で頂上決戦に臨む虎軍団だが、ナインの間にはもう一つ“裏テーマ”がある。新井貴浩内野手(37)にビールかけを初体験してもらおうと燃えているのだ。
21日、CS終了後初の全体練習。甲子園球場で約2時間、汗を流す虎ナインを見守った和田監督は「対戦相手も決まって心地良い緊張感の中で練習ができた」と目を細めた。
ソフトバンクの戦力について「打線は破壊力もあるし、足も使える。打ち合いにはしたくない。接戦に持ち込むのが勝機」と警戒する指揮官。パ・リーグの覇者ということもあって「チャレンジャーとしてぶつかっていきたい」とポストシーズン期間中に貫いてきたチャレンジ精神をあらためて強調した。
ナインもレギュラーシーズン2位という立場を重く受け止め謙虚に戦う姿勢だが、その一方でモチベーションを上げる重要テーマも掲げられている。主力選手を中心に「ここまで来たら何としても新井貴さんにビールかけをやってもらわないといけないでしょう」と盛り上がっているというのだ。
2007年オフに広島から阪神にFA移籍。チーム関係者が「新井のお兄ちゃんは後輩にも慕われているし、チームの中心的な存在になっている」と認めるように欠かせない存在となっている。しかし、新井貴が愛着のある広島を離れることを決断した理由の一つは「優勝」に対する強いこだわりだったにもかかわらず、阪神での7年間、目前でV逸した08年をはじめ一度もリーグ優勝を経験できていない。
こうした経緯をチームメートも十分に理解している。それだけに「優勝への思いは人一倍。今回はリーグ優勝とは違うかもしれないけど、日本一になれば胴上げもビールかけもできる。新井の気持ちをくんで多くの選手が、ぜひ新井に勝利の美酒を味わってもらいたい、と思っている」(球団関係者)というのだ。
今季は代打要員として起用されることが多かった新井貴。ムードメーカーが勝負どころで結果を出せば、間違いなく虎ベンチは大いに盛り上がる。“悲願のビールかけ”を実現できるか。鍵を握っているのは新井貴自身かもしれない。









