大一番の第6戦に先発したソフトバンク・大隣憲司(29)が7回無失点投球でチームをCS突破に導いた。ファイナルステージ初戦に先発し、今季初の中4日での登板。2回を除く、すべての回で走者を背負いながらも粘投で試合を作った。「本当に素晴らしいピッチングをしてくれた。しびれる試合の中で自分のピッチングをしてくれた」。秋山監督は試合後の優勝監督インタビューに自ら大隣を呼び寄せるほど、大賛辞だ。


 当初は2年目の飯田の先発が予定されていた。しかし、これまでの経験、そしてリーグ優勝を決めた10月2日のオリックス戦、CS初戦の好投で、大隣に変更された。とはいえ、今年7月に難病の黄色靱帯骨化症から一軍マウンドに復帰してから、まだ3か月程度しか経過していない。指揮官は第2戦に先発した武田と2人で試合を作れれば十分という考えだった。実際、大隣の体調を考慮し、4回から毎回、続投の意思を確認。そのたびに「行きます」との力強い答えが返ってきたという。


 CSでの連続快投に、ずっと大隣を支えてきた優子夫人は「野球の神様のおかげです」と話す。次は日本シリーズ。左腕は「秋山監督には成長させていただいた。監督を日本一にしたいし、僕自身も日本一になりたい。勝って日本一で終われるようにしたい」と意気込んだ。