<パCSファイナルS第4戦 ソフトバンク5-2日本ハム(18日)>ついに日本シリーズに王手だ。ソフトバンクは18日、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦(ヤフオクドーム)で日本ハムを5―2で下した。これで対戦成績は3勝2敗(1勝のアドバンテージを含む)。頼れる選手会長・松田宣浩(31)の4安打を筆頭に打線が13安打と爆発。今日19日の第5戦に勝って、一気に日本シリーズ進出を決める。

 日本ハムに傾きかけていた流れを引き戻したのは、やはりこの男だった。1点リードの3回二死満塁。日本ハムの2番手・メンドーサの初球を積極的に打ちにいった松田。打球は二遊間を抜け、センター前に転がった。「速い球を待っていたので詰まりながらだったがヒットゾーンに飛んでくれてよかった」。決していい当たりではなかったが、貴重な2点適時打で追いすがる相手を突き放した。

 2回の第1打席で放った左中間を破る二塁打を皮切りに、この日は4打数4安打の猛爆。1試合4安打と前日の最終打席から続く5打席連続安打はともに、プレーオフタイ記録だ。「1本出れば2本3本と出るんです」と笑ったが、第2戦では3回二死満塁の好機で痛恨の遊直に倒れた。試合にも敗れ「(点を)取れるところで取らないと」と、改めて短期決戦で大切なことを学んだ。

 過去に何度もCSの舞台を経験しているが、今回はこれまでと違った重みも感じている。「今までのCSはあまり意識はなかったが、今回はここまで4試合戦って、守っている時にとくにプレッシャーを感じる。1つのミスで流れが大きく変わるし、いいピッチャーからは点が取れない。だから1つのサードゴロにしても確実にアウトにしないと、というのがある」。

 だからこそ、取れるところはきっちり取る。そんな選手会長の強い気持ちに、チームも引っ張られている。前日は2回までに摂津が3本塁打を浴びて7失点KO。エースで臨んだ敗戦だったが、そんな状況でも鷹打線は最後まで粘って計14安打。その勢いを第4戦につなげ、2試合連続の2桁安打で流れを引き寄せた。

 先発・中田が114球を要しながらも、5回を投げ3安打2失点。2回に3者連続四球でピンチを招き、大野に適時打を浴びたものの、勢いに乗る陽岱鋼、中田の3、4番コンビからはともに2奪三振と主軸をきっちり抑えた。7回からは森、五十嵐、サファテの勝利の方程式がそれぞれ1イニングを無安打無失点。ファイナル4試合目にして初めて王者らしい試合運びで勝ち切った。

 連敗を止めた鷹ナインに秋山監督も「(初回に先頭本塁打を放った)柳田の一発も大きかったし、松田のも大きかった。先発が試合をつくってくれるというのは大事だな。中継ぎも頑張った」と褒め言葉を続けた。今日19日の第5戦に勝つか引き分ければ、3年ぶりの日本シリーズ進出が決まり、2011年以来の日本一も見えてくる。松田は「もう一気に決めたい。自信持って楽しくやります」とナインの気持ちを代弁。秋山ホークスの集大成を見せつける。