日本ハム・大谷翔平投手(20)が満を持して19日のパCSファイナルステージ第5戦に登板することになった。


「5番・指名打者」として4試合目の出場となった17日、大谷は前日までの13打数1安打(打率7分7厘)6三振のインケツぶりにおさらば。4打数2安打とこのCS初のマルチ安打を放ち2得点に貢献した。「(2安打が)点につながってよかった。これで気持ちが楽になった。今までは外とか内とかを考え過ぎていた。改めてストライクゾーンにしかこない、中で勝負するというのが分かった」と話した。


 その大谷について栗山監督は試合後「これで投げることに集中できると思う。こうなったら投げさせるしかないね。最低限ここ(2勝2敗のタイ)に来たかった」と断言。18日の第4戦を木佐貫で取れば日本シリーズ進出がかかり、逆に落とせば後のなくなる大一番の第5戦先発を20歳右腕に託す考えだ。指揮官自ら「最初(ファーストステージ)は投手。抜けたら(ファイナルステージは)全部打者」と語っていた前言を撤回する状況が整った。


 エース教育の一環として「大谷をチームの命運がかかった試合に登板させたい」としていた日本ハム首脳陣。黒木投手コーチは「翔平はこの前の登板(6回3失点で勝利した11日オリックス戦)で緊張して自分の投球ができなかった。それを経験したことで次にどう生かしてくるのか、そこが楽しみ。公式戦と全く違う緊張感の中で練習中から自分にプレッシャーをかけていくのか、逆にリラックスしていくのか。それは僕らがいろいろと話していますけど、実際どうするかは翔平自身が決めること」と前回登板からの上積みに期待している。


 第4戦がどちらに転んでも、第5戦が大谷の真価を問う大一番になることは間違いない。