中日・谷繁元信捕手兼任監督(43)の突然の方針転換にチーム内が盛り上がっている。15日はフェニックス・リーグに参加中の若手視察のため、宮崎入りした指揮官だが、ここまでナゴヤ球場で行われている秋季練習中に約200人ものファンに連日にわたってサイン会や写真撮影会を実施。これにナインは「正直、これまで監督がサインに応じる姿をほとんど見たことがなかったので、その変身ぶりに驚いた。よっぽど来季にかける思いが強いと思う」と言い合っているのだ。

 ファンサービスをしただけで、ここまで言われるのはわけがある。「ファンと共に」のスローガンを掲げてファンサービスに力を入れていた高木前監督がキャンプ中にサインをしていたことに、当時の選手・谷繁は「監督なんだから、ほかにやることがあるだろう」とこぼしていたからだ。

「それが今ではそう言っていた自分がそれをやっているわけだからね」とある選手。別の選手は「その監督がああやってファンサービスしている姿を見たら、僕らもちゃんとやらなくちゃいけないですね」とも。

 監督1年目の今季は4位。主催試合の観客動員数は2年ぶりに200万人超えしたとはいえ、200万912人とかろうじての突破。「勝てない、人気がないという、そんな状況を何とか打破したい思いも監督にはあるのでしょう」(チームスタッフ)。2年目の谷繁監督のファンサービスにも注目だ。