ソフトバンクの秋山幸二監督(52)が今季限りで辞任する、と14日付の一部スポーツ紙が報じた。同紙によると、3年契約最終年の今季は3年ぶりのリーグ優勝を果たしたものの、終盤に1勝9敗と失速してオリックスにゲーム差なしまで追い込まれた責任を痛感して、球団に辞意を伝えた。球団は慰留に努めたが、本人の意志が固く断念したという。

 6年間で日本一1度、リーグ優勝3度に輝いている秋山監督に何が起こったのか。昨年オフに球団はオリックスから李大浩、中日から中田を獲得するなど、総額30億円の大補強を敢行。V奪回を義務付けられた。その重圧は例年にないものだっただろう。

 9月16日の時点で2位・オリックスに4・5ゲーム差をつけており、優勝は目前と思われた。しかし、優勝マジック点灯の可能性があった翌17日から1勝9敗と球史に残る大失速。残り試合数の関係で一時はオリックスに優勝マジックが点灯した。同30日に王貞治球団会長(74)に辞意を申し入れたという。10月2日のオリックスとの最終戦にサヨナラ勝ちして優勝。責務は果たしたわけで球団は全力で慰留。しかし、秋山監督の辞任の意志は揺るがなかった。

 秋山監督は今季の成績にかかわらず辞意を固めていたと思われる。

 7月に王会長から続投要請を受けたが、態度を保留していた。そのため、一部の関係者から「家庭のことを考えれば、辞めるという決断をしてもおかしくないんじゃないか」との声も上がっていた。妻・千晶さんが3年前に病に倒れ、長女・真凜さんは来年、大学へ進学する。都内の大学も視野に入れているという。今後は家族を優先したいと考えていたようだ。

 後任に元ヤクルト監督の古田敦也氏(49)、球団OBである工藤公康氏(51)らの名前が挙がっているというが見通せない。

 15日からのクライマックスシリーズファイナルステージを前にしての指揮官の電撃辞任はソフトバンクナインにとっても大ショックだろう。秋山監督に有終の美を飾らせることはできるのか。