クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦(京セラ)は2位・オリックスに軍配が上がった。6―4で日本ハムを下して対戦成績を1勝1敗とし、ファイナルステージ進出に“逆王手”をかけた。ヒーローは8回に逆転の3ランを放ったT―岡田だ。試合前にケガでの抹消が決まったペーニャの“代打4番”が値千金の仕事を果たした。

 試合前のムードは最悪だった。前日11日のファーストステージ初戦はエース・金子を立てながら3―6で逆転負けを喫した。また、この日の試合前にはシーズンを通じて4番を務めてきたペーニャが、右大胸筋の炎症のため出場選手登録を外れた。そんな追い込まれた状況のなか、初回、先発のディクソンがいきなり崩れた。

 先頭の西川に右前打を浴び、中島卓に送りバントを決められるなどして二死一、二塁のピンチを背負うと、小谷野に右翼線への適時二塁打されて、右翼・川端のミスもありあっさりと2点を失う。ディクソンは「緊張はなかった」と力みを否定したが、前日の敗戦を引きずった展開だった。

 それでも1―3の7回に先頭の安達が安打で出塁し、二死後に川端が右翼線二塁打。二、三塁とチャンスを広げると、ヘルマンが代わったクロッタから左中間を破る2点適時二塁打で同点に追いつく。8回には守備のミスが絡んで1点を失うが、この点取りゲームにけりをつけたのがT―岡田だ。

 その裏の攻撃で一死後、原拓が四球を選び出塁すると、二死後に糸井が敬遠気味に歩かされて一、二塁。ここでT―岡田が谷本の147キロの直球をとらえ、オリックスファンの待つ右翼席5階席に特大の一発をぶち当てた。試合を決める一発にベンチはお祭り騒ぎだった。

 お立ち台に上がったT―岡田は「最後まであきらめずということがチームのモットーとしてあった。まだ1試合負けただけ。本塁打は感触が完璧だったのでいったと思った。本当に最高でした」と笑みを見せた。

 後がない状況から一転しての逆王手。オリックスは13日の第3戦で引き分け以上でファイナル進出が決まる。10月2日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で優勝を逃し、涙したナイン。そのソフトバンクの待つファイナルステージ進出のため、上昇ムードのオリックスは一致団結する。