CSファイナルステージ進出を決めている巨人は11日、東京ドームでBCリーグ選抜と練習試合を行った。試合はファイナルステージ第3、4戦に先発が予想される杉内と小山が、それぞれ3回無失点と完璧な内容で順調な調整をアピール。野手も格下相手とはいえ坂本、阿部、アンダーソンが本塁打を放ち、右ヒザに故障を抱える長野も約2週間ぶりの実戦で安打を放つなど回復を印象づけた。なお6回以降は報道陣に非公開で9回裏まで試合は続行。巨人が6―1で勝利した。

 例年のこの時期は宮崎で開催中のフェニックス・リーグに参加して実戦を積んでいたが「強行日程で疲労度も高い上に天候不順のリスクもある」(球団関係者)と今年は在京調整を選択。原監督は「ここで調整できるのは我々にとって非常に大きい。BCリーグのみなさんには大変感謝している」と語った。

 新たな試みはまだある。昨年までCSファイナルステージ中は一部外国人選手を除く首脳陣、選手全員が球場隣接のホテルに宿泊。寝食を共にする“管理野球”で決戦に臨んでいた。しかし今年は「普段通りやろう」という原監督の意向で、自宅からの通勤が許可されることとなった。心身ともにリラックスできるよう配慮した“放任野球”への方針転換はナインにも「去年は宮崎へ行っても外出禁止だったし、CS中も缶詰めで息苦しかったですからね」と好意的に受け止められている。

 ただし関係者によれば「これがベストな調整だとは思うけど、監督はゲン担ぎが好きな人だからね。結果が悪ければ元に戻すこともあり得るよ」という。堅苦しい生活が苦手なGナイン。スパッと日本シリーズ進出を決めて来季以降も“自由”を守り抜けるか。