パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)は11日、京セラドームで開幕。ポストシーズン初登板の大谷翔平(20)の粘投もあり、レギュラーシーズン3位の日本ハムが同2位のオリックスに6―3で勝って王手をかけた。

「自分が投げ勝ったというよりは打線が打ち勝ったゲーム。球場の雰囲気が違いましたし、こういう中で投げる経験があまりなかったのでいい経験ができました」


 大谷は2回二死走者なしから突如崩れた。二塁打を浴びた後、4連続四死球で2失点。本人によれば「ペース配分しようかなと思ったらおかしくなった」そうだが、内容はともかく終わってみれば初のCSで初登板初勝利。公式戦ではダメ出しすることの多かった栗山監督も「打たれていたわけじゃないし、信じていた。本人は悔しかっただろうけど、俺は完璧に抑えて勝つより翔平のためには良かったと思う」と我慢の投球を評価した。


 ひとまずCSでの「投手・大谷」の出番はこれで終了。今後はチームがファイナルステージ進出を果たしても、野手に専念する。栗山監督はソフトバンク戦での大谷の起用法に関して「相手が最も嫌がる手は何か」を見定めた上で決めたというが、結果が吉と出るかどうかは微妙なところだ。


 確かに「投手・大谷」は今季のソフトバンク戦4試合に登板して1勝2敗、防御率3・52と分が悪い。8月には球種のクセが“顔バレ”していたことから2試合合計13イニングで18安打7失点と打ち込まれた。


 ライバルはエースの摂津が不振で、栗山監督には「ソフトバンク戦はそういう展開(投手戦)にはならない」と打撃戦を予想しているが、今季のヤフオクドームで「打者・大谷」は6打数1安打(1本塁打)で4三振。チームにとっても大谷にとっても楽な戦いにはなりそうにない。