【ザ・ギース尾関高文・コイのターゲット】全国の赤ヘル党の皆さま、ご無沙汰しております。昨年、広島のキラ選手の前で一発芸を披露した際に「ノーユーモア」と一刀両断にされて死ぬほど悲しい気持ちになったカープ芸人、ザ・ギースの尾関高文です。2位の座をかけた5日の巨人戦(マツダ)を前に、再び紙面に登場するチャンスをいただきました。今回のゲストは政治家1年生で、カープ女子歴も1年の塩村文夏都議会議員です。コイの話からあの話まで、ズケズケと聞いちゃいました。

 尾関:本来なら「はじめまして」なのですが、実は先月23日にも神宮球場でお会いしているんですよね。


 塩村都議:あのときはお天気も良く、カープも7―2の快勝だったので良かったですね。小学生のころから仲のいい地元の友達6人で行ったのですが、みんな喜んでいました。私も知らない男性とハイタッチしちゃったり、丸選手のファンの方にマルちゃんの応援ボードを持たせてもらったりして楽しかったです。


 尾関:梵選手、ロサリオ選手、エルドレッド選手に一発が出て会心の試合でした。球場での観戦はよくされるんですか。


 塩村:球場まで足を運ぶようになったのは今年からです。ボランティアで動物愛護をしている仲間に誘われて5月18日の巨人戦に行ったのが最初で、そのときはエルドレッド選手が満塁ホームランを打ってくれて10―3の快勝だったんです。ストレスを抱える仕事をしているので、ああいうパワフルなバッティングを見るとスカッとして気持ちいいんですよね。


 尾関:その後はコンスタントに。


 塩村:いえ。例のヤジの問題があってから忙しくて行けなくなり、カープ戦は先月の神宮が3か月ぶりでした。


 尾関:好きな選手は。


 塩村:エルドレッド選手です。見に行くと必ずホームランを打ってくれるし、体の大きな人が好きなので。エルドレッド選手の応援歌も歌えるようになりました。歌詞も分かりやすくていいですよね。


 尾関:あの大きな体で抱きしめてもらいたくないですか。


 塩村:そこまでは思いません。でも、いつか握手はしてもらいたいですね。政治家には握手が大事なんです。


 尾関:出身は広島県福山市とのことですが、子供のころのカープの思い出はありますか。


 塩村:野球好き少女ではありませんでしたけど、やはり地元ですので生活の中にさりげなくカープが溶け込んでいました。伯母も広島県府中市で「カツ赤ヘル」という屋号の串揚げの店を営んでいるぐらいですから。クリスマスの時期にはカープの選手が来る新聞社主催のパーティーなんかもありました。大野豊さんや北別府学さんなど、いま考えればすごい方も来ていましたよ。


 尾関:出身高校はマラソンの五輪メダリスト、有森裕子さんと同じ岡山の就実高だそうですが、スポーツはされていたんですか。


 塩村:経歴で言うと小学校時代は生徒会、中学校では陸上部、高校では生徒会で、いまは政治家という典型的なパターンです。小学生のころは地元でフットボールと呼ばれていたキックベースに夢中になっていましたけどね。この企画に沿わないかもしれませんが、学生時代は世界が広がっていくことが楽しくて、カープのことは頭から抜けていました。


 尾関:でも、いまでは立派なカープ女子に。


 塩村:昨年ぐらいですかね。周りにカープと中日が好きでプロ野球の歴史や舞台裏にも詳しい方がいて「カープは金がない。そんな中でも若い選手を育成して、地元のファンを大事にしているんだ」という話をされたことがあったんです。それを聞いたとき、いま私が置かれている立場と似ているな…と共感しました。小さな政党で、お金も権力もない中で巨大な都議会の中で戦っているという。


 尾関:巨人のような政党を相手に戦うカープみたいなところを重ね合わせていると…。


 塩村:ですね。それにスカーンとホームランを打って勝ってくれたら気持ちもいいですから。


 尾関:ところで球場ではひどいヤジを飛ばす人もいます。昔は「死んじまえ!」なんて平気で言っている人もいました。


 塩村:それはひどいですね。私は数試合しか見ていませんが個人的にはマナーがいいなという印象です。エラーや三振の後などにため息が漏れることはありますが、それは正直な感想ですから。応援のために大きな声を出すのは悪いことではないと思いますし逆に静まり返った球場は不気味ですよ。


 尾関:マナーという点では都議会の方がよっぽどひどい。


 塩村:それを私の口から言うと問題になりますから…。ただ、女子が増えたことで、球場での観戦マナーが良くなっているような気はします。実際にデートで来ている方も多いですもんね。そういう意味で、政治の世界は20~30年遅れていると思います。


 尾関:女子が増えて球場の雰囲気が良くなったというのは確かですね。


 塩村:安倍総理が5人の女性閣僚を誕生させて政治の風景も変わってきました。みんなの党でも候補者を一定割合で女性とするクオーター制を取り入れることになっています。カープ女子のように、みんなの党女子が増えてくれるといいなあと思います。


 尾関:なるほど。塩村さんの戦いも長い目で見守りたいと思いますが、カープには目先の大事な戦いが控えています。


 塩村:ですよね。なんとか2位を死守していただいて、日本シリーズまで走り続けてもらいたいです。議会は3日で終わりましたが、今後は決算特別委員会があって、それから再び議会と年末まで休みなしなので、フルスロットルで駆け抜けるためにも、ぜひカープには頑張ってもらいたいです。

 ☆しおむら・あやか 1978年7月6日生まれ。広島県福山市出身。共立女子短大卒業後にモデルやタレントとして活躍し、2001年から海外に留学。帰国後はカー雑誌での執筆も。07年には日本テレビ系の「恋のから騒ぎ」に出演し、MVPを獲得。その後は放送作家としてラジオ、テレビで数々の番組を手がけ、12年に維新政治塾の第1期塾生となり政治の道へ。13年にみんなの党に入党し、東京都議会議員選挙に立候補し初当選。現在はみんなの党Tokyo副幹事長、厚生委員会副委員長、動物愛護管理審議会委員として活動中。


 ☆おぜき・たかふみ 1977年8月6日生まれ。広島県東広島市出身。お笑いコンビ、ザ・ギースのボケ担当。明治大入学前の浪人時代には、投手として広島の入団テストを受けるため、1日200球の投げ込みを3か月にわたって行い、肩を壊した経験も。コント日本一決定戦「キングオブコント2008」のファイナリスト。