エースを救った。浦和学院(埼玉)が聖光学院(福島)に11-4で逆転勝ち。夏の甲子園では初出場で4強入りした1986年以来、26年ぶりの3回戦進出を決めた。この日は打線が小刻みに得点を挙げ、調子の上がらないエース佐藤を盛りたてた。
1回戦では高崎商(群馬)をわずか94球で完封した右腕が、初回にいきなり痛打された。「調子は良くなかった」という佐藤。一死一、三塁で園部に3ランを浴び先制された。
森監督は「どうなるかと思った。正直不安だった」と顔をしかめながら、その場面を振り返った。
しかし、マウンド上の佐藤は冷静だった。「タイムリーでつながれるほうが嫌だった。本塁打で走者がいなくなって気持ちが切り替えられた」。続く斎藤に中前打を許したが林崎が二盗を刺し、京田は左飛に打ち取る。
2回以降も幾度となく走者を背負うが、要所を締める投球で崩れることはなかった。また「ここまで佐藤におんぶにだっこだった」(森監督)打線が爆発。
聖光学院のエース岡野から3回までに9安打6点を奪い、早々とマウンドから引きずりおろした。
自身初の3回戦進出を決めた森監督は「選手たちが慌てずによくやってくれた」と笑顔。浦和学院は春夏通じて過去19度の甲子園出場があるが、ここまでは4強が最高。新たな歴史をつくるため、浦和学院ナインがまた一歩前進した。