【カリフォルニア州アナハイム3日(日本時間4日)】ロイヤルズの青木宣親外野手(32)は2日(同3日)に行われたエンゼルスとのア・リーグ地区シリーズ第1戦で初回にプレーオフ初安打となる中前打を放ったが、結局5打数1安打だった。

 しかし、守備でチームを救った。2―2の6回二死一、二塁で5番ケンドリックの右中間への当たりを中堅手と交錯しながらも、フェンス際で好捕。7回二死三塁でもポール付近への難しい飛球を倒れながらつかんだ。「守備で貢献できてよかった」と胸を張った。

 ワールドシリーズ制覇を目指している青木だが、日本球界も気になっている。「新しい若い力が出てきたのはすごくいいこと。うれしいですよ」。古巣ヤクルトの後輩・山田哲人内野手(22)の活躍を連日、インターネットでチェックしているのだ。

 日本時間3日現在、山田は188安打。残り2試合あり、1950年に阪神・藤村富美男(元本紙専属評論家)が記録した日本人右打者のシーズン最多安打191本の更新が期待される。
「彼が何を目標にしているか分からないですけど、マスコミとか周囲に藤村さんの191本まであと何本とかって言われるのは、すごくいいことですよ。今の数字もすごくいいんですけど、でも、トライしていくことはもっと大事ですから」


 山田の背番号23は青木が2004年から09年まで背負っていた。一緒にプレーしたのは11年だけだが、親近感を持っている。だからこそゲキを飛ばす。


「やっぱり1本より2本打った方がいいし、2本よりは3本。でも、3本打って満足しているようじゃだめだね。もっとも彼はどれだけ打っても満足していないと思いますけど、3本打ったら4本打つ。それって間違いなくチームに貢献していることだし、そういう気持ちでやってほしい」


 山田が192本目の安打を放てば大いに刺激になるだろう。


 この日、チームはファンとメディアの投票による9月のチームMVPを発表。野手では月間打率3割7分9厘と打ちまくった青木が選ばれた。メジャーで初の勲章だ。ロイヤルズの背番号23はファンの声援と後輩から受ける刺激を力に変えて頂点まで突っ走る。