巨人が28日のDeNA戦(横浜)に3―4で敗れ、今季の同カード勝ち越しがなくなった。目指していた完全優勝の目は消えたが“消化試合ムード”のチームは余裕たっぷり。そんなナインが今、注目しているのはパ・リーグのV争いだ。ソフトバンクか、オリックスか。Gナインがひそかに望む結末は――。

 原監督はこの日、ヒザの故障を抱えながら出場を続けていた長野を回復に専念させるため登録抹消。前日に続き4番に大田を据えた。

 試合は接戦となり、先発の澤村が7回2失点と力投すれば、1―3の9回一死一塁でアンダーソンが同点2ランを放って一時は試合を振り出しに戻した。しかし最後は延長11回、青木が無死一、二塁から梶谷にサヨナラ打を許した。

 原監督は「コンディションをしっかり上げることが大事。だがまずは勝つこと。優勝したとはいえ、そこありきで戦っていきたい」とコメントしたが、正直チームはすでに消化試合ムードだ。

 そんなナインが注目しているのは、目下白熱中のパ・リーグ優勝争い。試合前もベンチでは「総合力はソフトバンク」「いや、勢いはオリックス」とV予想合戦が繰り広げられていた。では巨人が今後CSを勝ち抜き、実際に日本シリーズで対戦した場合、どちらがくみしやすい相手なのか。

 選手やスタッフの多くは「ソフトバンクとやりたいね」と口を揃えた。チームスタッフは「ウチが言えた義理ではないけれど、ホークスには突き抜けた投手がいない。短期決戦が得意なチームでもないし、毎試合接戦に持ち込めば、勝ち越せる」と話す。

 一方、オリックスへの警戒感は相当だ。同スタッフは「正直あの投手陣でシーズンを独走しなかったのが不思議」と語ると「短期決戦は投手力がものをいう。オリックスはウチが1、2点に抑えればなんとか…というようにいかない相手だからね。0点で押し切る力を持っている投手が、金子以外にも数人いる。打線も糸井、ペーニャら軸がしっかりしているし、ウチは厳しい戦いを強いられると思うよ」と話した。

 オリックスには交流戦で3勝1敗と勝ち越したが「絶対的エースがいて、打線にもペーニャ、糸井という軸がいる。チーム構成が去年の楽天と似ている気がする」(主力野手)と選手たちもやりにくさを感じている様子だ。

 巨人としてはまずはCSを勝ち抜き、日本シリーズ行きを確定させるのが先決だが、日本一奪回の行方を左右するパの覇権争いもしっかりチェックしている。