広島が26日の阪神戦(甲子園)に3―4で敗れた。先発・九里は6回途中3失点と粘りの投球を見せたが、ピンチでマウンドに上がった2番手の戸田が痛恨の逆転3ランを浴びた。打線は苦手としている藤浪から3点を奪ったが、逆転されてからは反撃ができず。手痛い逆転負けで巨人のリーグ制覇を許すとともに“2位マジック”は「4」のままとなった。

 継投策が裏目に出てしまった。3点リードの6回、それまで無失点の好投を見せていた九里がマートンに適時打を浴びて1点を返されたところで、野村監督は交代を決断。2番手として左腕の戸田をマウンドに送り出したが、これが誤算。一死一、二塁から福留にバックスクリーン右に飛び込む逆転3ランを浴びてしまった。シーズン終盤に来て中継ぎ陣が打たれて落とす試合が増えているだけに、大胆な整備が必要となりそうだ。


 打線は天敵攻略に成功した。阪神先発・藤浪に対して初回、一死二塁から丸が「最後に甘く来た球をしっかり自分のスイングで打ち返せた」という右中間を破る適時二塁打を放って先制パンチ。さらに藤浪対策としてスタメン起用された左打者の松山が4回、無死二、三塁から投手強襲の適時打を放てば6回のチャンスでも適時打を放つ暴れぶりでベンチの期待に応えてみせた。


 クライマックス・シリーズ(CS)を見据えた上でも重要な対戦だった。赤ヘル打線は藤浪を通算で1勝7敗と大の苦手としており“藤浪アレルギー”が蔓延していた。ただ、阪神とCSを戦うことになれば先発してくることは必至で対戦は避けられない。それだけに「本番の前に何とか打っておきたい。組みやすしの印象を払拭しないといけない」(チーム関係者)と必勝を期していたのだ。


 ただ、藤浪攻略では成果を収めたものの、逆転されてからは阪神のリリーフ陣に抑えられてしまい敗戦。巨人のリーグ制覇をアシストする結果になってしまった。皮肉にも巨人がDeNAに勝利したことで2年連続でのCS進出が決定したが、阪神とは再び1・5ゲーム差に縮まった。23年ぶりのリーグ制覇は逃したが、2位死守のためにまだまだ厳しい戦いは続く。