広島のブラッド・エルドレッド内野手(34)が24日のヤクルト戦(神宮)で来日初の退場処分となった。3点を追う5回の第3打席でフルカウントからヤクルト・杉浦の投じた外角の直球をストライクと判定されて激高。バットとヘルメットを放り投げて森球審に詰め寄り、侮辱行為として退場を宣告された。

 そのままチームは反撃ムードもなく敗戦。野村監督は「(投手陣は打ち込まれ)ああなるとそういうふうになってしまう」と主砲をかばったが、チーム内からはこの退場が尾を引かないか心配の声が出ている。「やっとボール球に手を出さずにストライクを打つ好球必打ができるようになってきて、いい時のエルドレッドに戻ってきたところだったのに…。これで頭が混乱して不調に逆戻りしてしまったら…」(チーム関係者)

 8月以降、長く絶不調が続いていたエルドレッドだが、ここ6試合で3発を放つなど最近はようやく復調気配。4番復帰も果たし、残り試合やクライマックスシリーズ(CS)での爆発が期待されている。そんな矢先の退場劇だけに「エルドレッドは繊細なところがあるからね。一つの判定でガタガタッとこないか」というわけ。

 1年前のこの時期は打棒爆発で球団史上初のCS進出を決める活躍を見せたエルドレッドだが、今年はどうなるか…。