阪神“下克上”の目玉はセットアッパー・松田

2014年09月24日 07時30分

藤川(左)をほうふつさせる3年目の松田(合成写真)

 逆襲の虎だ!!――。阪神が虎視眈々と「逆転日本一」を狙っている。勝負の9月に巨人戦3タテを含む悪夢の6連敗で大失速。9年連続V逸が決定的となり、契約最終年の和田豊監督(52)の続投方針も揺るがす事態に陥った。しかし、その後は3カード連続勝ち越しと復調ムード。シーズンの雪辱に燃える虎首脳陣はクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズでの“下克上”を目指して綿密に攻守の秘策を練っている。

 22日、和田監督は横浜遠征を前に甲子園球場で行われた若手野手と先発投手陣の指名練習を視察。21日の中日戦で勝負どころの終盤に2打席連続でバントを失敗した2番打者・大和をマンツーマンで直接指導した。「どの試合も重要だ」と指揮官が気合を込めたように逆転2位のためには残り8試合は一つも落とせない。短期決戦のCS、日本シリーズでも確実に走者を次の塁に進められるかが勝負の分岐点となるだけに徹底指導を敢行した。

 逆転日本一に向けての準備はこれだけではない。和田監督ら首脳陣は着々と“下克上プラン”を進行させている。その目玉となるのが試合の流れを一変させるセットアッパー・松田遼馬(20)だ。

 コーチの一人は松田への期待を「短期決戦では、いかに相手に勢いを与えないかが重要になってくる。相手に流れが行きそうになった瞬間に投入して、その流れを止める投手がいれば試合を有利に運べる。本当の意味での“ストッパー”だ」と明かす。

 モデルケースがある。2005年のリーグ優勝に「7回の男」として貢献した藤川球児(34=現カブス)だ。当時の岡田監督は“火の玉直球”を武器に台頭した藤川をストッパーではなくセットアッパーとして起用した。終盤の勝負どころで藤川が相手打者を剛速球で豪快に抑えると、その波及効果は打線にも及び、猛攻で一気に勝負を決めるケースが続出した。

 松田の剛速球も、直球と分かっていても打てない藤川の“火の玉ボール”をほうふつさせる威力があり、入団2年目の昨年から早くも「ポスト球児」と期待された逸材だ。今季は右ひじ痛のため大きく出遅れたものの14日に一軍復帰すると2試合に登板し、ともに1イニングを三者凡退に抑える貫禄を見せている。コーチ陣も「早い段階で先発が崩れても、すぐに松田を投入すれば流れをこちらに引き寄せることができる。思い切って早い回から使うこともある」と重要な役割を任せることを決めている。

 攻撃の秘策は西岡剛内野手(30)の外野起用だ。すでに首脳陣は西岡に外野手として起用する可能性があることを伝え、準備をしておくように指示している。今季は開幕3戦目の3月30日の巨人戦で守備中に福留と激突した影響もあり、不本意なシーズンとなってしまったが、11日に復帰すると代打で4打数2安打2打点と抜群の存在感をアピールした。

 コーチ陣も「西岡がベンチにいると雰囲気が変わる。10年にはロッテで3位から日本一になった経験も大きい。当時の経験を周囲に伝えてくれているし、勝負どころで能力を発揮してくれるはず」と、あらためて西岡の影響力を実感。西岡を外野手として起用する超攻撃的布陣も用意しているのだ。

 松田、西岡ともに故障のためシーズン中はリハビリに専念していたこともあり、心身ともにフレッシュな状態だ。実力はもちろん勢いという面でもチームを一気に加速させる力を秘めている。

 実績十分の“新鮮力”が加わり、役者が揃った虎軍団。このまま日本一まで突っ走る!!