広島が12日の阪神戦（甲子園）に２―８の完敗を喫し、逆転Ｖが絶望的になった。中７日で先発の福井は４回に打者一巡の猛攻を受けるなど６回８失点で降板。打線も不調のロサリオに代わり４番に入った松山がチャンスで凡退するなど繋がりを欠き、阪神・藤浪に完投された。痛恨の連敗で巨人とのゲーム差は５。首位が遠のくばかりか３位・阪神を生き返らせる結果となった。
聖地の甲子園で力を発揮することはできなかった。３回まで虎打線を完璧に抑えていた福井だったが、１点リードの４回、突如乱調に陥った。一死から安打と四球で一、二塁とするとゴメスに適時打を浴びて同点。さらに死球で満塁のピンチを招くと福留には押し出し四球を与えて逆転を許した。
ここで踏ん張れば、まだ試合は分からなかったが、もう止まらない。伊藤隼に２点適時二塁打、鶴岡に犠飛を浴びると藤浪にも適時二塁打を浴びて一挙６失点の大炎上。ここ２試合は勝ち星こそ付かなかったものの、安定した投球で評価を上げていた右腕だが、期待に応えることができなかった。かつてこの地でともに栄光を味わった阪神先発・藤浪との“甲子園優勝投手対決”も制することはできなかった。
一方の打線も不甲斐なかった。初回、藤浪の乱調に助けられ、四球と安打でいきなり無死満塁のビッグチャンスを迎えたが、これを生かせない。この日４番に抜擢された松山が最悪の投ゴロ併殺打に倒れると、キラの四球で二死満塁としたところで６番・田中も左飛に打ち取られて無得点に終わってしまった。その後、３回に丸の適時打で１点を奪ったが、松山が再三のチャンスで凡退。昨年のクライマックス・シリーズで本塁打を放つなど“藤浪キラー”だったキラも、３打数無安打２三振のいいところなし。大事な場面で打線が繋がらなかった。
この日の敗戦で首位・巨人とのゲーム差は「５」。ナインはリーグ制覇を諦めていないが、逆転Ｖは限りなく難しくなったのは事実。そればかりか６連敗でどん底状態だった３位・阪神を生き返らせ、ゲーム差は「２・５」。安泰と思われていた２位の地位も揺らいでしまった。
厳しい状況に追い込まれた赤ヘル。このままズルズル後退しないためにもまずは連敗を止めたいところだ。
