パ・リーグ3位の日本ハムがクライマックスシリーズ(CS)勝ち上がりに着々と下克上態勢を整えている。

 10日のソフトバンク戦(東京ドーム)は1―2と惜敗。それでも残り20試合で2位・オリックスとは8.5ゲーム差、4位・ロッテとは7ゲーム差と水があいており、3位はほぼ確定となっている。栗山監督は「この時期は何も想定にはならない。やるしかない」と上位進出を諦めていないが、一方でひそかにCSでの逆転プランも練り上げている。

 骨子となるのはここまで10勝を挙げるチームの勝ち頭・大谷のローテーション変更だ。前回3日の楽天戦(札幌ドーム)に登板した大谷が順番通り中6日で回ればこの日のはずだった。しかし大谷はこの3連戦は全て野手出場の見通しで、次回登板は中9日を空けて13日のオリックス戦(札幌ドーム)初戦の方向だ。

 大谷には最多勝、防御率、最高勝率等タイトル獲得の可能性は残されているが、何より優先されるのはチーム全体の目標。大谷のローテ変更は残り20試合で3試合に先発登板、間に野手としての出場もしながら10月11日のCSファーストステージ初戦先発に向かう青写真につながっている。

 現状通りの順位で日本ハムがファーストSを勝ち上がった場合、初戦登板の大谷がファイナルステージで登板可能となるのは中5日に詰めても17日の第3戦。しかし、今のチームには7月以降ホークス戦3連勝とファイナルS初戦先発にはおあつらえ向きの「鷹キラー」中村勝がいる。

「ウチが優勝するためには開幕とシーズン終盤では全然別のチームになっていなくてはダメ」という栗山監督の短期決戦をにらんだ二刀流・大谷のおきて破り起用に注目だ。