西武・中村剛也内野手(31)が7―0と7回途中降雨コールド勝ちした8日のロッテ戦(QVCマリン)で、本塁打王争いトップの同僚・メヒアに並ぶ30号ソロを放った。

 自己最多タイの48本塁打を放った2011年以来3年ぶり4度目の30号に中村は「(本数は)別にどうでもいい。早めに打って点を取れたのでよかった」とチームの勝利につながる一発に安堵の表情を浮かべた。

 ロッテを抜き4位に浮上した田辺監督代行も「(体の状態が)万全でない中で30本も打てた。今年の30本は価値がある」と二軍で自らが手がけた教え子をたたえたが、本当にそうだろうか。中村は今季出場95試合中27試合で本塁打を記録しているが、その勝敗が12勝13敗2分けと勝率5割を切っている。半分の15発がいわゆる空砲となっているのだ。

 西武OBで現役時代は中村を弟分としてかわいがった本紙評論家・大友進氏は「本塁打王を争う打者が2人いてチームが低迷していることが問題」とバッサリ。同氏は最近の中村、メヒアの打撃練習を見て「練習から完全に本塁打しか狙っていない。肝心の2人がチーム打撃をしないから本数は増えてもチームの順位が上がってこない。あの清原さんだって個人記録よりもチーム打撃。そんなライオンズの伝統があって、本塁打王争いだけしか話題の作れない現状のチームのあり方、それを許してしまっている球団の姿勢が理解できない。チームの勝利につながらないタイトルホルダーを作ることで、チームをどういう方向に持っていきたいのか見えない」と痛烈に現場と球団を批判した。

 この日の一発は勝利に貢献したものの、CS出場圏内の3位・日本ハムとの差は残り21試合で7ゲームと厳しい。中村は先輩の声をどう聞くのか。