中日・大野雄大投手(25)が4日のヤクルト戦(神宮)で7回途中1失点の好投で7勝目をマークした。これまで、ほとんどの登板は中6日だったが、今回は中5日でのマウンドで対ヤクルト戦初勝利。これについて友利投手コーチは「中5日にどういう意味があるのか。それは(森)ヘッドの親心だよ」という。

 大野にとってヤクルト戦は大きな壁であり、神宮球場は屈辱の地。4月26日の試合で初回に5失点の大乱調。試合途中に名古屋へ強制送還される憂き目にあった。8月1日のヤクルト戦で再び神宮球場で登板したが、5回5失点で返り討ち。「負けたままじゃ終われねぇだろ」(森ヘッド)とあえて今季最後の神宮球場・ヤクルト戦でチャンスを与えたのだ。

 両者でそうした話は事前にしておらず「あいつは何で行かせたか分かってねえだろうけどな」と森ヘッドは話したが、その気持ちはしっかりと大野に伝わっていた。「ここで投げさせてもらった意味は1つ。やり返すということ。ヤクルトにはやられていますから。森さんがくんでくれたのだと思います」と大野はきっぱりだ。

「気持ちが入っていたでしょ。親心に応えてくれた。ヘッドも喜んでいると思うよ。最後の最後で我々が求めているものを出してくれた」と友利コーチも合格点を与えた大野の力投。開幕当初、大野について「あいつは前に俺が(投手コーチを)やっていた時、ほとんど一緒にやっていないからよく分からないんだ」と話していた森ヘッドだが、今はぼんやりと絆のようなものが見えているかもしれない。