日本国内でも感染が広がるデング熱が、思わぬところに波紋を広げている。セ・リーグで最下位に低迷しているヤクルトだ。


 東京・代々木公園で蚊に刺された人がデング熱に感染した問題で、4日に東京都は同公園の大部分を閉鎖した。放送センターが近くにあるNHKでも、職員を含む女性2人の感染が確認された。いずれも同公園を訪れていた。公園に隣接する明治神宮でも感染が発生した可能性が浮上している。


 国内感染者は12都道府県の59人という被害の拡大を物語るような公園閉鎖措置に、戦々恐々としているのがヤクルト。同公園から本拠地の神宮球場までは直線距離にして約2キロだ。ある選手が打ち明ける。


「蚊が飛んでてけっこう気になるんですよ…。あそこは、もともと蚊が多いところなので」


 普段は試合前の練習を球場内で行うが、現在は東都大学野球秋季リーグ戦が開催中。球場内は午前中から夕方にかけて試合で使用されるため、選手たちは室内練習場と隣接するコブシ球場で体を温める。グラウンドの周辺は緑が豊かな一方で蚊が飛び回り、選手たちは練習中から蚊の“脅威”との戦いを強いられる。さながら「燕VS蚊」といった構図だ。


 グラウンドでは、かねて選手たちは自主的に虫よけスプレーで対策を取ってきた。この日は全身、そして顔にまでスプレーを噴射する選手の姿も。チームスタッフは「(代々木公園を)閉鎖したといっても蚊は飛ぶからね。刺されたら、みんな気になる。どこまで防げるのか」と困惑しきりだ。今月、公式戦と東都大学リーグ戦の日程が重なるのは5日の巨人戦、16日&17日の阪神戦、24日&25日の広島戦。最下位脱出を図るためにも、一刻も早い事態の収束が望まれる。