<ソフトバンク10-3オリックス(3日)>ソフトバンクは3日(ヤフオクドーム)、2位オリックスに10―3で勝利し、ゲーム差を再び2・5に広げた。前夜の首位攻防戦初戦は9回に同点に追い付かれ、4時間47分にわたる熱戦も、結果は延長12回ドロー。痛い引き分けを喫しただけに、この日はそのうっ憤を晴らすように打線が爆発。15安打10得点で大きな1勝を手にした。

 ソフトバンク打線がようやく金子を捕らえた。1点を追う6回。二死から李大浩がこの日2本目のヒットを右翼線に運ぶと、巨体を揺らしながら二塁まで全力疾走。続く長谷川の中前打で一、三塁とチャンスを広げ、松田の四球で満塁。打席に立った柳田も四球を選び、押し出しで同点に追い付いた。

 ここまで小刻みに加点していたが、つながりだすと止まらない。代打・吉村が左中間を破る適時二塁打で2点を加え「いい仕事ができました」と胸を張ると、明石も右前打で続きさらにもう1点。オリックスのエース・金子をマウンドから引きずり降ろした。

 前夜は痛恨の引き分け。絶対に負けられない試合で先発を託されたエース・摂津も、この一戦にかける思いは強かった。ここ2戦は黒星。それだけに登板前日、前々日と、今季初めて登板間に2度、ブルペンに入った。加藤投手コーチは「それだけこの試合に気合が入っているということじゃないか」。互いのエースが投げ合う首位攻防戦で意地を見せようと必死だった。

 4回一死一塁からT―岡田に低めのシンカーを捉えられて中堅に運ばれた上、続くヘルマンの打席で暴投。この回2点を失った。さらに6回にはまたもT―岡田に右翼へのソロ本塁打を献上。「絶不調でした。全然ストライクが入りませんでした」と反省したが、味方の強力援護を受けて今季9勝目をつかんだ。

 前日2日から、小川ヘッドコーチが総胆管結石のため入院。以前から「胃がおかしい」と口にしてはいたが、このタイミングでの離脱はチームにとって予想外だった。代わって藤本打撃コーチがサインを出しているものの「大変や…」とポツリ。球団関係者も「小川さんがいないことで、ベンチ全体でそれをカバーしなくちゃならない。そうすると少なからず今までやってきたリズムがずれることになる。藤本さんも打撃のことだけに集中できないしね」と不安を口にしていた。

 そんな不安を一掃するような豪快な打撃でオリックスを粉砕した鷹打線。今日の3連戦最終戦も白星で締める。