ソフトバンクは31日、敵地コボスタ宮城で楽天と対戦。先発の大隣が7回2失点と力投すれば、打線は5回に2点を入れ逆転に成功。あとは9回を守護神サファテが抑えるだけだったが、まさかの守りのミスで同点とされ、大隣の3勝目はあえなく消滅。さらに延長12回、森福が打たれ、3ー4でサヨナラ負けとなった。

 1点をリードして迎えた9回、鷹軍ベンチは守護神サファテを投入し、逃げ切りを図ったが、一死一塁から銀次の左前打を城所がまさかの後逸。土壇場で延長戦に持ち込まれると、引き分け目前の延長12回には、5人目・森福が二死二塁から松井稼に適時打され、サヨナラ負けとなった。

 先発の大隣は7回2失点と奮闘した。1点リードの初回裏、松井稼に同点の5号ソロを許すと、2回一死一、三塁で嶋に勝ち越し打を打たれた。それでもその後は粘りの投球で追加点を許さず、登板過多の中継ぎ陣を休ませるべくマウンドを守り続けた。

「序盤はテンポが悪く、先に点を取ってもらったのに野手に迷惑をかけてしまった。でも3回以降はゲームをつくれたので良かったと思う」

 試合前には同じ黄色靱帯骨化症の手術を受けた星野監督の元をあいさつに訪れた。敵将とは面識はなかったが、難病と闘う“同志”として言葉を交わしておきたかった。

 そんな左腕に打線が応えたのが5回。一死二塁のチャンスに細川が左前に同点適時打すると、なおも二死一、二塁で今宮の打球は三遊間へのゴロと思われたが、これを相手遊撃手の西田のグラブをかすめ、左前へと抜ける適時二塁打となった。「ショートが打球をはじいてラッキーでした」(今宮)

 難病から復活した大隣に3勝目を挙げさせたいという思いが生み出した勝ち越し劇だった。しかしそれも9回のまずい守りで白星は消滅。11回には岡島がマウンドに上がり、日米通算800試合の登板を達成したが、それでも悪い流れは変わらず、最後は森福が打たれ5カードぶりの勝ち越しを逃した。

 このところ打線の得点力は落ち、リリーフ陣も疲れが目立つ。悲願のV奪回までの道のりは前途多難だ。