巨人の暴れ馬・澤村を操縦したルーキー小林

2014年08月29日 16時00分

小林とのコンビで1年2か月ぶりの完封勝利を挙げた澤村は、両手を突き上げて喜びを表した

 セ・リーグ首位攻防の第3ラウンドが28日、東京ドームで行われ、首位の巨人が4―0で2位の阪神に快勝した。ライバルを再び2・5差と突き放した立役者は、巨人先発の澤村拓一(26)。散発2安打、441日ぶりの完封勝利で今季2勝目をマークした。

 

 追い込まれた剛腕が、崖っ縁で最高の投球を見せた。7月6日の中日戦以来の今季2勝目は、圧巻の2安打10K完封劇。最後の打者・鳥谷を151キロ内角直球で見逃し三振に仕留めると、澤村は両手を突き上げ、右手の人さし指を立てるガッツポーズでG党の大歓声を浴びた。

 

 実に1年2か月ぶりの完封勝利に、お立ち台ではしみじみと「ずっと1球に泣く展開が続いて、足を引っ張ってばかりだった。0点に抑えられて良かったです」。文句なしの快投で、苦言を浴びせられ続けた川口投手総合コーチをして「アッパレです!」と言わしめた。

 

 原監督も「心技体が揃えば、こういう投球ができる。飛躍する1勝になってくれると思う。今日に関しては見事」と大絶賛。さらに「バッテリーの呼吸が合っていた」とスタメンマスクの小林も同様に高く評価し「低めに投げさせるというだけでなく、高めも使えるんだよと。その上で低めに投げようよ、というね。そういう意思疎通が取れていた。若いバッテリーだが、のびのび投げていた感じを受けた」とルーキーの好リードに光を当てた。

 

 小林は「今日は澤村さんが良かった。自分は何もしていません」と謙遜したが、序盤は「力もスピードも良かった」という直球で強気に押した。中盤制球が乱れだすと、たびたびマウンドへ走ってコミュニケーションを取り、“暴れ馬”と称される右腕を最後まで操った。

 

 澤村の今季2勝は、どちらも小林とのコンビで挙げたもの。小林は阿部の捕手復帰で出場機会が減っていたが、秦バッテリーコーチは「若いコンビで結果を残してくれたことは、慎之助の負担を減らす意味でも大きい」と話しており、今後は“澤村専属捕手”として起用される可能性が高い。

 

 これについては、チームスタッフも「小林は普段から投手を細かく観察している。澤村についても仲の良い菅野から、どんな性格なのかこっそり話を聞き出しているようだ。澤村も兄貴肌なところがあるから“年下女房”の方が合うのかも」とコンビ続行に賛成する。

 

 大一番で最高の結果を見せた巨人のヤングバッテリー。このまま澤村がローテ定着となれば、チームも落ち着く。故障で戦列を離れていた菅野の復帰も近そうで「混セ」どころか一気にVまで突っ走る展開までありそうだ。