貧打投壊の巨人・原監督に聞いた「得点数が最下位でなぜ勝てる?」

2014年08月28日 16時30分

前田氏(右)の直撃に笑顔で応じる原監督

 セ・リーグの首位決戦第2ラウンドは27日、東京ドームで行われ、2位阪神が首位巨人に延長10回の末、5―4で逆転勝ち。阪神が前夜のお返しをした格好で、両チームのゲーム差は再び1・5と詰まった。なかなかライバルを突き放せず、もどかしい試合が続く巨人・原辰徳監督(56)を本紙評論家の前田幸長氏が独占直撃。やりくりに頭を悩ませながらも、首位をキープしている秘密に迫った。

【前田幸長 直球勝負】巨人と阪神の首位攻防戦が行われている東京ドームをのぞいてきた。前夜は終始劣勢の試合展開にもかかわらず、劇的な逆転サヨナラ勝ち。原監督もさぞご機嫌かと思いきや…。故障者続出のチーム状況もあって、試合前の練習を見守る指揮官の表情は厳しいものだった。

 この日、ボクはどうしても原監督に聞きたいことがあった。それは巨人のチーム得点数がリーグ最下位だということ。にもかかわらず首位を走っているのはどういうことなのだろう。

「巨人は得点がリーグ最下位なのに、なんで首位なんですか?」

 その疑問を単刀直入に原監督にぶつけてみると…。「得点が最下位なのは知ってるよ。じゃあ、失点はどうだ?」と逆に聞かれるではないか。

 前田:巨人の失点は得点よりも多いです。

 原監督:だよなあ、やっぱりそうか…。

 前田:じゃあ、なんで勝てるんですか?

 そんなやりとりが続いた後、原監督はこう言い切ったのだ。

「やっぱ、采配だろ!」

 もちろん、その後に「まあ、それは冗談だけどな!」と付け足すのを忘れなかったが…。実はボクの見解も原監督と同じ。故障者が続出し、3割打者が誰もいない。失点が得点を上回っているという状態にもかかわらず、勝ち続けている今年の巨人は、まさにベンチワークによるものだと言っていい。

 さらに原監督に「今年の野手でここまで監督の想定通りに働いている選手はいますか?」と聞いてみたところ「いねーよ!」と即答。これにはボクも「ですよねー」と、申し訳ないけれども苦笑いしてしまった。

「もちろんまだシーズンが終わったわけじゃないからね。これからやってくれるだろう。もっと得点能力を上げてもらわなきゃ困るんだ」と続けた原監督は、奮起を期待する選手として「やっぱり(阿部)慎之助、村田、(坂本)勇人、片岡、長野…」らの名前を挙げた。そして「打順をコロコロ変えすぎ」という批判のあるオーダーについても「毎日、毎試合、その日のベストオーダーを組んでいる。今日(のオーダー)だって、これが今のうちのベストなんだ」と苦しい胸の内を明かした。

 この日の外野陣は左翼・中井、中堅・大田、右翼・橋本という若い3人。故障者や不調者ばかりの現状では、背に腹は代えられない決断もしなければならない。打線を組むのにも苦心しながら、それでも勝ち続けるというのは、本当に大変なことだろう。

 ボクが知っている限りでは、こんな戦い方をしている巨人を見たことがない。いつも戦力が充実していて、4番打者がずらりと並んでいる印象が強かったが…。ベンチがやるべきことをしっかりやって、コツコツ1点差の試合をものにしていく今年の巨人がこのまま優勝となれば、巨人史上まれに見る優勝になるんじゃないかと思う。(本紙評論家)