中日は27日のDeNA戦(ナゴヤドーム)に1―8と大敗し、4月7日以来となる5位に転落。屈辱の2年連続Bクラスが現実味を帯びてきた。先発の伊藤は3回4失点(自責2)でKOされ、打線も1点を取るのが精一杯。谷繁兼任監督は「下がりましたね。でも明日から1つの勝ちを求めてやっていくしかない」と肩を落とした。

 投打とも精彩を欠く試合が続く中、首脳陣は選手への接し方を「ソフト路線」に方針転換することを考えている。これまでは期待の裏返しから厳しい言葉を投げかけるケースが多く、この日も森ヘッドが登板直前の伊藤に「(一軍は)最初で最後かも分からんぞ」とハッパをかけた。それが早々のKOに「ブルペンでは最高の球を投げるのに、それがマウンドでは投げられない。精神的に弱いと言うしかない」と頭を抱えるばかりだ。

 前日26日の試合中に途中降板し、左肘内側側副靱帯損傷で今季中の復帰が絶望的となった浜田も「とにかく腕を振れ!」と口酸っぱく言われ続けてきた。「浜ちゃんはそれを加減せずに言われるがままにやり続けてきたことが今回の故障につながった可能性もある」(チーム関係者)。エース左腕と期待される大野も首脳陣から叱責されることが多く、ここまで6勝7敗とパッとしない。

 コーチ陣には「これからは『お前はいい投手なんだ、打たれるわけがない』『お前はチャンスに強い野手なんだ、期待しているぞ』って催眠術をかけるように褒めて褒めて乗せてやる方法に変えてみるのも手かもしれない」と指導法の転換を推す声もある。

 選手だって「たまには褒められたいですよ」が本音。褒めて褒めて昇竜へと変貌するか…。