セ・リーグの首位攻防戦第2ラウンドが27日、東京ドームで行われ、2位阪神が首位巨人に延長10回の激戦の末、5―4で逆転勝ちし、負ければ自力V消滅の危機をしのいで再び1・5ゲーム差に詰め寄った。

 土壇場の8回からの反撃で逆転勝利を収めた和田監督は「昨日は痛い負け方をした。今日は絶対負けられない試合ということで選手もみんな気合が入っていた」と言葉に力を込めた。

 26日はまさかの逆転サヨナラ負け。ショックが尾を引くことも心配されたが、思わぬ形で虎ナインは開き直った。チーム関係者は「自分たちのミスで負けた部分もあったし、ひきずってしまいそうなムードもあった。この時期の直接対決で3タテを食らって大失速した去年みたいになってしまうのでは、と心配していた。でも選手はうまく気持ちを切り替えることができた。原監督のおかげで…」と明かした。

 阪神ナインが失いかけた自信を取り戻すきっかけになったのは、26日にサヨナラ勝ちした原監督の「奇跡のようなゲームだった」とのコメントだった。前出の関係者は「ただでさえ巨人が本来の力を発揮したら怖いと思っている中で、昨日のような負け方をすると“やっぱり巨人には勝てないのか”という気持ちが生まれてきてしまう。原監督が昨日のような勝ち方を奇跡と考えているということは巨人にもそれほど余裕がないということ。ウチも苦しいけど巨人も苦しみながら戦っている。選手も新聞などで原監督のコメントを読んで“まだまだいける”という気持ちになった」と説明。くしくも敵将の言葉が虎ナインを勇気づけることになったのだ。

 何とか首位決戦で連敗という最悪のケースを阻止した。原監督のおかげでよみがえった闘志を胸に逆転Vを目指す。